2020年2月6日
サイレント蕎麦。
経験して初めてわかることがある。蕎麦は勢いよくすすらないと旨くない。
現在、前橋の中心街にある美術館「アーツ前橋」のAIR(アーティストインレジデンス)プログラムにて滞在制作を行なっているアーティスト、カシャ・フダコウスキの映像制作に協力した。
カシャは1985年生まれのロンドン出身で現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動している。独自のユーモアと鋭い自己批判を併せ持ち、パフォーマンス、彫刻、映像、インスタレーションと様々な手法を用いて表現活動を行なっているアーティストということだ。
今回の滞在では、作家が2016から続けている映像プロジェクト「ワードカウント」を展開する。同プロジェクトは作家自身が書き下ろした近未来的な台本をもとに、これまでドイツ、メキシコ、イタリアなどで撮影をおこなってきた。物語はジョン・ケージの作品【4分33秒】に由来し、1日433単語以上話すことを禁止された架空の世界を舞台として展開する。今回は「ワードカウント」の一部となるであろう短編映像を、前橋での調査、交流をもとに制作するということで、今回の協力となった。アーティストの感性に触れるだけでとても特別な体験ができる。
近未来の前橋、蕎麦は音を立てて食べてはいけないということになっている。という設定だ。前橋市役所近くの名店「近留」さんに集まった10人余りは、全く音を立てずに蕎麦を食べている。蕎麦屋にこだまする“すすり”音が全くしないというだけで異空間だ。その異空間に一人の男が・・・・・
このあとは作品の仕上がりを楽しみにするとしよう。
前橋市議会議員 岡 正己