2022年7月6日

トップマネージャー研修2日目。

世界情勢からわがまちの未来をつくる〜トップマネジャーの方のために〜研修2日目。
□デジタル先進国デンマークから学ぶ人間中心スマートシティ実現の秘訣
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部
中島健祐氏
1、北欧デンマークの概要
デジタルを使ってどうやって活性化しているのか?が大きなポイント。世界的に有名なニュー・ノルディック・キュイジーヌのNOMA などがあり協働ロボットでは世界1位である。

一言で言えば「課題解決先進国」。よく日本は課題先進国といったりするがポイントは課題解決という部分である。先進国の課題はほぼ共通しているなかなぜデンマークは課題解決先進国なのか。その違いは違いは課題を先送りしないというところにある。
例えばエネルギー自給率。オイルショックをきっかけに政治とビジネスと市民が一体となって推進した。 1980年に5%だったエネルギー自給率を2009年には124%になっている。その間日本はずっと4% である。

GDPは1990〜2009年60%増加しているがエネルギー消費は横ばいで、CO2排出量は40%減になっている。これによってヨーロッパの中で一目置かれる存在になった。

2010年当時の首相が宣言して2050年に化石燃料から脱却するという計画になっている。 ヨーロッパの中で一番デジタル化が進んでいる国なので日本は協定を結んでデジタル庁などがアドバイスしてもらったりとパイプはあるようだ。

コロナに対してはどうだったのか。感染者を抑制しながら民主主義を保ちながら乗り切ることができた、なぜか?
1、首相の強力なリーダーシップ
2、明確な戦略(国民(高齢者)を守る)
3、デジタルインフラ CPR番号(マイナンバーカード)を使ったオンライン診療など使えるソリューションは全て使った。
特徴として、未来予測をしっかりとやる。将来何が起きたとしても裏シナリオをしっかり作る。

フィンランドの例:コロナ禍を子供達に女性の閣僚が説明することによって親たちにも影響が出る。冷戦時代に備えられた核シェルターを使用したり国を一枚岩にすることができたという。

□デンマークのデジタル化対応
基盤がデジタル化されていないと効率に進められない
都市丸ごとデジタル化されている
政府〜エネルギー〜交通〜農業〜医療・福祉〜教育などIT技術が都市全体に組み込まれることで高度にIT融合が実現している。

キーワードは以下
・スマートシティ(世界トップクラス)
・マイナンバー (1968年に導入)
・オープンデータ(主要都市で公開済みの公共ビックデータ)
・バイオバンク(国民統合ヘルスデータ)
・フィンテック (2030年キャッシュレス社会を目指す)

2001年に電子署名、2004年に効率的支払いとデジタル処理(決済システム)、2007年に共通インフラ、2011年にデジタルコミュニケーションとデンマークもいきなり全てがデジタル化されたわけではなく段階を経て推進して行っている。

ビッグデータで公的機関のデータが全てDLできるようになっている。また、マイナンバーで全デンマーク人の全データが登録されている。バイオバングはへスルケアの銀行と呼ばれ、遺伝子データまでも入っていて(2015年)国家を運営するデータはほぼある。※個人情報は厳重に管理されている

□具体的な事例
ページ丸ごと市役所窓口となり、引越しから納税、入学の手続きなどなんでもできる。人が必要ないので人件費を抑えられる。その費用を人材育成などに充てることでレベルアップし労働環境も好循環で回る。ヘルスケアでは過去の自分の病気、入院、薬なども全部わかる。

過去数10年のデータが見られるので流れの中で効率化しいろいろな目的をまとめて達成することができる。
2025年に向けた戦略の対象は、企業だけではなく、市民を含めた社会全体。

ビックデータを使ってスマートな暮らしを実現し、最終的にはエネルギー脱炭素で資源を効率的に活用し、世界の恒久的な平和を目指す

NORD HAVNEN THE FIVE MINUTES CITY
まちの中心は人々(ウエルビーイング)

・デンマークと他国の違い
日本はインフラが中心だが北欧はインフラだけではなく産業だけではなく医療など持続的成長と市民の幸福度が関連している(全体最適型)。また参画者としてデザイナーや文化人類学者などが入っている。2050年に脱化石燃料
、コペンハーゲン2025年にカーボンニュートラル首都。

□ARC 先進的廃棄物発電所
高効率で先進的な発電所。ゴミから6万2千世帯に電力を送ることができる。
※地域熱冷暖房システムでコペンハーゲンのいろいろなところに供給していて建物の中はどこでも20度を保つことができている。

この発電所は屋上が人口のスキー場になっている。発電するだけではなくてレジャーも入れ込む。しかも本物のアルペンスキー場の縮小板をコピーしているのでコースも魅力的。 壁面には世界で一番高いロッククライミングの壁があり地上100メートル。遊び心に溢れた施設。楽しむかどうかは自己責任というマインドが大きい。

廃棄物発電プラスリゾート開発という考え方。NIMBY (NIMBY「ニンビー」とは、英語の句「not in my backyard」(我が家の裏には御免)の略語で、「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ」と主張する住民たちや、その態度を指す言葉(総論賛成・各論反対)。)をイノベーションによってホットスポットにして地下が上がる。

実現はしなかったようだが、煙突から出る煙 を輪っかにしてプロジェクションマッピングするという面白い取り組みも検討されていた。二酸化炭素がこのくらい出るのかを可視化することで啓発になり意識の変革が起こる。子供たちへの影響を重視している。社会家見学のようなもので勉強した後にリゾート体験ができる。単にリゾートでは終わらせず教育の側面を盛り込んでいる。

ゴミをエネルギーに転換するだけではなく、カーボンユートラルを達成するための拠点であり、都市リゾートと先進的スマートシティなど多面的で立体的でありとあらゆる勉強を組み合わせている。レゴ的な発想。
※トヨタのウーブンシティのデザイナーと同じ方のデザイン。
※2024年には隈研吾によるウォーターカルチャーセンターがオープンする。

□デンマーク流地域創生の秘訣
オーデンセの事例:人口17万2512人(2022年)。もともと造船の街であったが、賃金の高い街では無理になってきてひとつの解答がロボットであった。15年くらいで世界トップクラスになる。課題解決先進国らしく介護福祉のロボットなど。イノベーションによって課題解決できる。技術だけではなく経営も。まち全体を大きなクラスターにする。

□スマートシティの実装
産官学が重なっている真ん中にクラスターを作る。そこには複合的な人材が入り3つをダイナミックにつなげる。これもまたレゴブロックの概念だ。NASAからイノベーションの仕組みを持ってくる時も、ただ単なモノマネではなく、自分達の文化に修正する。

社会的問題から価値創造を行う。そのためには特徴として・ビジョン・社会文化・社会システム・方法論・教育と人材が挙げられる。次世代の社会システムの目的地とは、子供達が誇れるような街を作ること。(元東京大学の宇沢先生:永続的成長)

□質問から
・行政に必要なこと
強い思いのある人の蓄積されるシステム、組織として得られた知識を蓄積される仕組みを作る。職員が外部に頼らなくても業者にコントロールされないような知見を持つ。別のアドバイザーをつける等も有効。主導権を奪われないような仕組み。職員を成長させるためには、どういう街にしていくのかを語り合うことが大切。ターゲットを20年30年にする。ひ孫の世代のために30年〜50年〜100年を考える。そうすることで大義があるからブレなくなる。

□持続可能な地域社会の構築に向けて 日本気候リーダーズ・パートナーシップ共同代表 三宅 香氏
自己紹介から、なぜ脱炭素が必要なのかなど現在の脱炭素に向けてまでの説明があった。危機的状況にあることは間違いない。そのために我々自治体レベルでできることはなんなのか。

脱炭素社会構築における企業、政府、行政の役割とは?
送電線は課題のひとつ、集中型から分散型への転換が必要になっている。再エネは地産地消が鍵となる。
1、再エネは地域内で作り域内で融通しあい消費する
2、企業や地方行政、そして個人の消費者も巻き込む

地域でマイクログリッドを持つイメージ

その地域のみんなを巻き込む(企業と消費者をつなげる)取り組みイオンの例
自宅で発電した電気の余剰便をイオンが買い取りポイントに還元する。屋根のパネルで電気を作りそれを売ってそのポイントで買い物する。地域で電気を媒介するエコシステム。
・脱炭素へのアプローチ
ステップ1省エネ 運用改善、省エネ機器導入
ステップ2創エネ 再エネ電源新設、オンサイトPPA、オフアイとPPA(PPA で屋根に太陽光パネルつける等)
ステップ3系統再エネ 卒FIT電源購入、CO2フリーメニュー購入、非化石証明購入

屋根貸しのスキーム
ソーラーシェアリング(例えば駐車場)畑では暑すぎるのを防ぐ意味もあるので可動式などになっている。太陽光のネガティブな要素、景観などを損なう等にも配慮する。今ある木を切るなら、 ゴルフ場跡地につける等。
電気は大型集中発電から地産地消へ。地域特性を踏まえて再エネへのアクセシビリティが選択肢の一つになる時代。基本的なことは再生可能エネルギーのミックス。

企業、金融など非国家主体の役割も増してる。我々地方自治体としてもできることがある。

サーマルリサイクルも純粋なサーキュラーであるべき。
前橋市議会議員 岡 正己

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