2022年10月22日

名古屋〜岐阜行政視察。

全国都市問題会議からの流れでそのまま名古屋方面の視察へ。私の所属する会派赤利根と会派なないろの合同視察となる。長野から名古屋へは特急しなので約3時間。

初めに名古屋版アーツカウンシルの取り組みを伺うため名古屋市役所へ。

名古屋版アーツカウンシルは令和4年立ち上げを目指して令和3年12月議会で説明した。立ち上げまでにおよそ5年間かかったという。

平成13年文化芸術振興基本法
平成22年第3次基本方針 初めてアーツカウンシルという言葉が出てきた
平成27年第4次基本方針 地域版アーツカウンシルが必要
平成28年文化庁補助金
平成29年文化芸術基本法 多分野に連携し有機的なつながり

名古屋市の文化行政としては、武家文化という背景があり、芸事が盛ん。芸どころ名古屋と言われていて習い事が盛んである。
昭和50年代に市民の文化活動を支える仕掛けを始める。各行政区に300人規模のホールを立て、名古屋駅周辺(中村区)に小ホールを整備した。平成28年度に完了し、活動場所は平成に整備し終わった。16の行政区にたくさんあることで市民活動の下支えになっていた。市民の文化振興に寄与していた。

ハードは揃っていったではソフトは?
平成21年 名古屋市文化振興計画
平成28年名古屋市文化振興計画2020
令和3年文化芸術推進計画2025
※なんで文化振興から文化芸術推進に?
国の法律にならって変更した。

課題として、若手芸術家への包括的支援の体制が不足している。文化を観光や産業にして行かなければならない。文化が観光などいろいろなものに生かされていない、まちづくりに染み出していない等。文化芸術を活用することが求められている。

重点項目の中に名古屋版アーツカウンシルの取り組みを入れ、2200人規模の市民会館が50年経ち改築になることもあり新たな文化芸術推進体制の検討がなされる。

平成28年に文化進行計画2020に名古屋版アーツカウンシル明記され検討に入った。令和元年、令和2年、試行的に支援プログラム(文化芸術を活用した他分野連携事業の試行実施)を行った。

他都市の事例なども参考にしながら令和3は7,800万円の予算で助成事業700万、パイロット事業500万、家賃事務費など大きなものは人件費の3000万円。

ディレクター1名、副ディレクター1名、事務系・広報2名、総務経理2名の合計6名が採用(6月〜7月募集で10倍の倍率)※参考にしたのは新潟の杉浦氏

評議会は10〜12名、委員会は理事12名の構成。

住宅都市局などのハード系の部署と協働で行うこともある。例えば堀川を活かした観光と文化イベントの協調事業など。12月にはシンポジウム行う。震災などの経験から何もなくても文化は残るということを実感している。

試行結果から見る課題
・専門人材を雇用した際の効果検証のあり方
・必要な機器及び組織体制
・より具体的な機能・役割、組織体制の検討
・専門人材に必要な能力、人物像の整理
・組織ガバナンス、実務体制の検討

有識者会議の意見
・自治体への文化政策立案に係る助言・提言機能を整えることは非常に重要
・つなぐ人材
・他分野を理解
・時間はかかる
・ガバナンスルール

条例がないという部分は課題であり提言機能を持つべきだと考えている
名古屋版アーツカウンシルのミッション
・提言機能
・他分野連携波及効果
・担い手支援

なぜ名古屋版?
他都市を研究していく中で
・提言機能
・助成機能を需実
・先進的な事業の試行
・調査研究
これらの項目が必要になったので

文化芸術評議会(他都市でよくある 〇〇審議会のようなもの)の専門的な見地からの意見には現場感覚がない。そこで評議会と委員会のメンバーを3割程度重ね合わせることで現場の感覚も入れる。 専門人材を公募することで先駆的になっていく。文化芸術創造委員会(仮称)を設置し市の職員も入る。理事会の下事務局長に市の職員がつくことで一定市も関わっていく。

他都市の例は文化財団の中に組み込まれることが多いが名古屋は違う。文化財団自体の評価がしづらくなる可能性があるため。
外部評価会議でアーツカウンシル全体を評価する。

文化芸術創造委員会
実行委員会のような任意団体として設置。5年後をめどに法人化も含めて組織・体制のあり方について検討している。一社など法人化することで団体自体の統制も図れると考えている。

今後の予定
令和4年 文化芸術創造委員会をクリエイティブリンク名古屋にした。理事会開いて発足。専門人材の公募は終わっているが評議会はまだない。来年度文化芸術基本条例を制定目標として議会で表明。
令和5年 先駆的な事業の試行、助成・支援等の実施
令和8年  法人化も含め組織・体制のあり方について検討

その後、名古屋を後に岐阜市へ移動。

2軒目は岐阜市立草潤中学校の不登校特例校の取り組み。

岐阜市立草潤中学校
今、全国で20万人が不登校にになっている。岐阜市の中学生の不登校が全国平均上回っていたこともあり不登校特例校の設置を検討し他市の特例高の研究を始めた。合併によって廃校となっていたこの場所に地域要望は教育機関を求めていたこともありこの草潤中学校で検討された。

令和3年4月から市立の不登校特例校としてスタートした。不登校経験者からのさまざまな意見を踏まえて学校のコンセプトは
「学校らしくない学校」にした。学校は生徒に合わせるをモットーに、担任の先生、登校の仕方、学ぶ場所、独自の教材などが選ぶことができる。

廊下にはイマココボードが置かれていて生徒たちが自分の学ぶ場所へ名札を移動する。ここには安心できる場所が色々ある。特徴のひとつにセルフデザインという授業がある。

音楽、美術、調理実習など週1日2時間の授業で何をやるのかは生徒自身が決める。

登校時間は選んだ担任と自分で決める。教科の学習は自分で決める。服装持ち物など細かな規則はない。給食はないので全員お弁当。自分達で全校生徒に呼びかけて全員旅行に行くなどの企画も自由にできる。

草潤中学校の特徴として担任の先生を選べる個別担任制は、自分だけの担任という意識がある。変更希望があることもあるが 9名の教員が2〜6名の生徒を個別担任として受け持っている。現在の教職員は18名。学校を希望して納得して勤務している。

不登校の生徒の特徴として人とのコミュニケーションが苦手というのがある。大事なことは社会との絆を感じること。野菜作りや全校卓球大会等でつながりを感じることができているようだ。全ての授業を生配信していて多学年の授業にも参加できる。

学校説明会では当初定員を40名としていたが希望者は200名に達した。1学年13人程度を想定し定員を40名とした。それに加え在籍校に籍をおいたままの生徒の追級支援も行っている。オンラインで週2回の追求支援は岐阜市以外の生徒もいる。

全員個別面談(160名)を行う。(医療の面からも必要)保護者アンケートや在籍高からの情報をもとに中学校40名、通級支援25名を決定。

欠席30日以下が37.6%で 希望者が一番多かった。欠席日数が多く今までの支援では十分ではないという子を支援の必要度が高いと考えた。自立支援教室ではなく学校へ行きたいという気持ちがある。岐阜市全体から40名が転入学した。登校手段 の予想はほとんど保護者の送迎か遠っもったがバスや自転車など自力での登校の方が若干多い。

既存の学校などではなく、さらなる選択肢として不登校特例校があるべき。手作りの学校が隠れたコンセプトにしている。学校らしくないカラフルな塗装など。

校長室もこんな感じ。

実績として、登校率69.7%でオンラインも含めると85.4%が登校した。半年で毎日登校したいという生徒が増えた。学校に対しての安心感があるのだと思う。卒業生は全員が進学した。2、3年も転入で入れるようになっている。

登校率が上がっている理由は先生が子供に合わせられるようになっているからだと考えている。今までは経験がなかったので手探りでやっていたが今年はどうすればいいかがわかってきた。

岐阜市全体のフリースクールなども出席扱いにしてもらえるように県に呼びかけている。生徒にとって通信制高校が大きな選択肢となっている。岐阜市内の全ての生徒を集めて通信制高校の説明会をオンラインで8校招いて実施した。228名+オンラインで視聴した方の96.2%が満足したという回答。

保護者負担は年間5000円。内訳はPTA会費3000円、残り2000円はスポーツ支援センターの掛け金等。

平成28年度に閉校し、地域の方々と教育施設として使い続けることを約束。どう使っていくのかを教育委員会で協議した。日本語初期指導教室と土曜日放課後児童クラブとして活用していたが部屋などがまだ余っているということで平成30年に特例校という選択肢が示された。その後文科省に特例校申請した。一番力になったのは市長。教育長から市長へと少しづつクリアーしていった。

適応指導教室などではカバーできない生徒がたくさんいる。各学校の支援力もまだまだである。現在の草潤中学校に勤務している先生方が異動で散らばっていくことが重要になる。選択肢を増やすことにもつながっていく。3年後から移動していった職員が草潤エキスをばら撒いていく。

□本日のめぶき 「あんかけスパゲッティと信長」

前橋市議会議員 岡 正己

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