2018年12月13日
不採択。
12月の教育福祉常任委員会が開かれた。請願審査のためだ。
委員会に付託された請願は「学校給食費の無料化を求める請願」である。
委員会で審議され、不採択となった。私も不採択の立場で討論した。
約25000人いる前橋市の小中学生の給食食材費は約14億円。この食材費の部分は保護者負担となっているが、前橋市の負担はこの食材費以外の市内6箇所の調理場の人件費、調理施設、設備整備費や修繕費などで26億円だ。
設備は毎日のことなので老朽化が進み、修繕が必要になる。また今後食材の高騰も懸念されている。前橋市の学校給食は規格基準が設けられており生徒児童に安全で安心な給食を提供できている。今後無料化によって財政負担が大きいので給食の質を下げるということはあってはならない。
現在、群馬県内では10市町村が無料化しているが、一度無料化したものを再度有料にすることは市民感情的にも容易ではない。前橋市では第三子以降に対しての給食費無料化と、経済的負担を抱え支援が必要な世帯に全額援助を行なっている。
また、行政の規模から前橋市のような中核市が完全無料にするというのはそれ相応の覚悟と計画が必要になる。
無料化に向かうのであれば太田市のように第二子半額補助などを段階的に行っていく必要がある。
今回の請願項目1、「小中学校の給食費を完全無料にしてください」というものであるために現在の財政状況また今後の財政の見通しでは困難である。また項目2の「県に対して小中学校給食費の無料化を行うこように働きかけてください」とあるが、給食事業は前橋市独自で行うものなので県に働きかけを行うべきでは無い。
現在の状況では厳しいが、移住や少子化の打破のためにもある程度有効であるとは思う。今後、無料化した渋川市、みどり市の動向も踏まえながら引き続き検証検討は重ねていく必要はある。
前橋市議会 議員 岡 正己