2019年6月22日
多様性と独自性。
年2回、学校評議員として前橋市の学校給食をいただける機会がある。
もちろん給食を食べに行くだけではなくて、敷島小学校の取り組みを聞き、意見交換をするためである。今、子供達には多様性と独自性が求められている。教員の多忙化など多くも問題を抱える教育現場であるが、私は先生以外が重要になってくるのではないかと思う。先生に出来ることが限られている中、地域に住む知識人やアーティスト、技術者、外国人などから得るものが大変多いのでは無いかと感じている。つまり、多様性を求めるのであれば先生による教育には限界がある。どこで誰がめぶくのかはわからない。その時学校に必要なのはきっかけだ。様々なきっかけが用意されていることが重要ではないのか。
前橋市にはアーツ前橋という美術館がある。アーツ前橋が実施しているアーティストインスクールはとても拡大したい事業だ。アーティストインスクールとは、学校にアーティストが派遣され、空き教室などで作品制作やワークショップなどを行ったりしながら児童生徒と交流する。各学校へのアプローチの方法も様々であると思うが、PTAなどと連携することで先生の負担を減らす方法もあるかもしれない。前橋市の様々な学校で実施されることで、そこで作られた作品などが児童、生徒たちのシビックプライドを醸成することもある。また、前橋市の学校ではアーティストインスクールを実施しているということを広く内外に周知すればシティプロモーションにも繋がる。
大人になると常識という鎧で身動きが取れなくなってしまう。教科書の中のアーティストだけではなくて、今生きているアーティストと触れ合えるということで起きる変化もある。アーティストから、学校教育では気付かせてあげられないものを伝えることもできる。アーツ前橋への来館者へとつながっていくことはもちろんだが、よりアートを身近に感じることで、自分と他人との違いを理解し、様々な価値観を身につけることも出来る。それは新しい発想を生むという、これからの時代に必要な能力になっていく。教育委員会、学校現場とより一層関係を密にして新しい価値の創造都市として前橋の独自性を強く出して欲しいと思う。
前橋市議会議員 岡 正己