2017年12月17日
染色日和。
午前中はゆっくり。
ここ最近は興味が色々なところに行ってしまう。
前橋に活かせそうかどうかという視点を常に持っているからだ。
いまの私の興味は赤城山で生まれた人間第一号の猪谷六合雄さんが考案した
「猪谷さんの靴下」だ。
以前、暮らしの手帖に特集が組まれていた。
猪谷さんが独自であみだした編み方のとても丈夫なスキー用の靴下である。
手編みは美しい。
そこにかける時間。スローであるところが思いを感じさせる。
ひとあみひとあみが重なって完成して行く。
編み物について家族で話をしていた。
母が昔、父のために手編みで編んだニットがまだあるかもしれないと言い出した。
自分が手編みしたので捨てることができなかったという。
サイズ的にも着られるかもしれないので探してもらった。
ベージュっぽい茶色で、汚れも少々あったがまだ着ることができそうである。
ドライクリーニング特有の、パラジクロロベンゼンの香りに包まれながら袖を通した。
サイズはピッタリ。しかし私のアンラッキーカラーは茶色なのである。
サイズは良いのに色味がなぁ。と思ったので染色することに。
思い起こせば、高校生の時にオレンジ色のジーパンを買ってきたら
母に、そんな派手なものを着て家から出るなと注意された。
後日、茶色の染め粉が手渡され、私は人生初めての染色にトライする。
そこから趣味となり幾度となく染めてきた。失敗もいくつもあった。
コットンのものは慣れているが今回はウール100%である。
しかも、父と母の思い出が入っているので失敗ができない。
高級なニットを色変えしようとして、縮絨させてしまったこともあった。
伸縮性が失われ、子供でも切るこのが不可能なくらい縮んでしまった。
その時も茶色のニットであった。やはりアンラッキーカラーである。
こんな時はインターネットが便利だ。
いくつものサイトを見て注意点を確認する。
温度を急激にあげすぎるとダメらしい。
お風呂でシャワーを使い徐々に温度を上げて行く。
毛糸をお湯に慣らして行くような感覚。
染め液は40度〜50度くらいに。
染め用の琺瑯鍋、コットンであればこの鍋でガンガン加熱する。
温度に注意して撹拌しながら約40分。
温度を急激にあげるとダメというのは人間に例えてもわかりやすい。
素手でやっていたために手が銅像のような色味になってしまった。
手編みなので、もしサイズが変わったりした場合、また毛糸に戻すことができる。
毛糸の価値と作業の価値でプライスレス。
手編みのニットは味もあっていい。それにとってもエコだ。
黒い染料で、いい感じのグレーに。
父から子へ、母の愛が受け継がれた。
前橋市議会 議員 岡 正己