前橋には“まちなか”と呼ばれるエリアがある。そこは昭和のアーケード街といった雰囲気で、少し前までシャッター街と揶揄されていた中心市街地である。しかし、ここ最近そのシャッターがどんどん開きつつある。シャッターの開き方は様々で、店舗から店舗の場合もあれば、店舗からオフィス、店舗からギャラリーなど、元店舗が多様な姿へと変わることで、このまちのカオス感を醸し出している。まちなかとは、誰かと出会う場所であり、何かが起こる場所であり、私たちのリビングのように落ち着く場所でもある。ハレとケが入り混じることで起きる偶然。その予測不可能なワクワクがある場所がまちなかだ。

今回、また一つの店舗が姿を変える。店舗からほけんしつである。ほけんしつという懐かしい響きが、すべての人を受け入れてくれるような抱擁感を感じさせる。多様性が求められている世の中に多様な人々の居場所は少ない。まちなかにまちのほけんしつができることで、買い物や飲食に来るだけではなく、誰かと寄り添うという機能がバージョンアップされる。そんなまちの姿をこれからはMACHI２.０とでも呼ぼう。きっと未来のまちはこれがスタンダードだ。

前橋市議会議員　岡 正己