第１３２回前橋市立敷島小学校卒業証書授与式。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため来賓は呼ばず、祝辞なども書面にて配布するなど時短に配慮した式であった。私はPTA会長として記念品贈呈の役割があったので、来賓席に１人着席し、４４名の卒業生の晴れの姿を目に焼き付けた。小学校の卒業式といえば、卒業生が一文づつ読み合って完成する呼びかけ（巣立ちの掛け声）がとても重要である。一人ひとりが一文づつ読み上げることで入学から卒業までのヒストリーが完成し、聞く者たちの目頭を、心を熱くする。

卒業生の親としてこれが聴けないのはとても悲しい。そう思い立った有志数人が卒業生全員の声を録音し、それらを繋げて一つの声にしようと立ち上がる。これがつい２週間前のこと。生徒全員を各担当者に割り振り、LINEなどで音声や動画を送ってもらう。今の時代だからこそできる精一杯の努力に誰しもが協力してくれてなんとか一つの作品（編集：城野PTA顧問）となった。

この作品は涙なしでは聴けない。卒業生の声から成長を感じることもできて、音声だけなのが余計に想像を掻き立てる。ピンチの中にもチャンスはある。「こうなってしまったからこそ！」「だからこそ！」「こそ！」の重要性を改めて認識した。先生方も最善の形を検討してくれた。雪が降りしきり、全員マスク姿で、時短でとマイナスばかりかと思ったが最後には晴れ間となり、写真の時だけマスクをとると卒業生達は皆、精一杯笑んでいた。

「ご卒業おめでとうございます。」

前橋市議会議員　岡 正己