2021年9月17日

決算委員会、建設水道。

決算委員会3日目、建設水道常任委員会。私の所属している委員会である。質問者は全部で7名で質問の順番は6番目となる。質問項目と答弁は以下の通り。

1 特別市営住宅管理運営事業について
(1)実績
(2)空き部屋対策の事例
(3)今後の考え方

2 千代田町三丁目土地区画整理事業について
(1)令和2年度の実績
(2)事業完了の見通し

3 前橋工科大学学術指導について
(1)学術指導制度
(2)具体的な内容

4 中心市街地住宅転用促進事業補助金について
(1)支援内容
(2)リノベーションまちづくりの進捗状況

5 屋外広告物許可事業について
(1)令和2年度実績と課題
(2)是正指導の実績と今後

6 景観アドバイザー制度の推進について
(1)実績
(2)積極的周知

7 広瀬川河畔重点地区景観形成助成金について
(1)周知
(2)他部署との連動

8 前橋総合運動公園整備事業について
(1)令和2年度の主な整備内容

□以下詳しい質問と答弁
1 特別市営住宅管理運営事業について
(1)実績
岡:前橋市にある市営住宅は、入居者数や老朽化など、個々に様々な問題を抱えている。すでに入居の募集をストップしているところもあるが、そのどれもが今後解決しなければならない問題として我々世代にのしかかってくる。

世の中の需要と供給を見極めて、解決方法を探らなければなりません。各市営住宅が抱えている問題は様々であると思うが前橋市にある市営住宅の中でひとつしかなく、その名の通り特別な、特別市営住宅管理運営事業について伺う。

市営住宅全てを対象とするとなかなか解決策が見出せない中で、ひとつしかない特別市営住宅に絞ることで見えてくるものがあると感じている。初めに令和2年度特別市営住宅管理運営事業の決算書の内容と現在の空き部屋数について伺う。

(建築住宅課長)
令和2年度の特別市営住宅管理運営事業の決算書の内容については、住吉第一団地による電波障害を解消するための設備の電気代が5,102円、施設管理賠償保険料が30,000円、電波障害解消設備の電柱共架料が35,640円、群馬県住宅供給公社への特別市営住宅管理業務委託料が7,477,346円となる。また、9月6日現在の空き部屋数は15戸である。

(2)空き部屋対策の事例
岡:この住吉第一団地の空き部屋数15戸を減らしていくことを考えていく必要がある。住吉第一団地においては、一人一台の車社会が当たり前の本市にとって、駐車場の数の少なさが入居をためらう一因となっていると考えられる。住吉第一団地は、他の市営住宅とは違い、その家賃は安くなく、その名の通り特別でファミリー向けということで室内も広々している。

しかしファミリーとなると、共働きやお子さんの習い事の送迎などで、一家に2台は車が必要となり、団地内に1台しか置くことが出来ないこの住吉第一団地は候補から外れてしまうこともある。

本年3月の予算委員会でも要望したが、多様な住み方が考えられる今、ルームシェアを可能にしてみるというのはいかがか。ルームシェアであれば、一人当たりの家賃負担も少なくなり、学生等の入居向上につながると考える。

例えば群馬大学の学生なら、学校へバスや自転車で行くことも可能なので、駐車場台数が少ないことの影響がある程度抑えられると考える。そこで、当局も空き部屋対策について、色々と研究していると思うが、全国の空き部屋対策について、どの様な事例があるのか伺う。

(建築住宅課長)
全国の空き部屋対策の事例については、学生が利用できる公営住宅の事例としては、公営住宅への目的外利用を活用した、札幌市の「もみじ台団地」、四日市市の「あさけが丘市営住宅・坂部が丘市営住宅」、大牟田市の「東谷住宅」などがある。

(3)今後の考え方
岡:住吉第一団地について、今後、空き部屋解消をどの様に進めて行くのか、伺う。

(建築住宅課長)
今後の住吉第一団地の空き部屋解消であるが、賃貸住宅運営についてノウハウを持っている管理業務の委託先である群馬県住宅供給公社と連携すると共に、先進都市の事例を研究し、入居促進に向けて取り組みたいと考えている。

岡:世の中は常に変化している。ルームシェアしたいという方と空き部屋をマッチングさせることは大変意味のあるものだと思う。

財源不足によって様々な縮減が図られていると思うが、条例改正、要項の追加、変更など知恵を使い今ある資源を生かしていくことが今までにも増して必要になっている。

この特別市営住宅は前橋市内で一つしかない。チャレンジかもしれないが時代に即した変化を促せる可能性を感じている。コロナ禍で今までの常識が常識で無くなったことや、時代に即した市営住宅のあり方を考えていく中でも、まずはこの住吉第一団地のルームシェアを検討いただきたい。

2 千代田町三丁目土地区画整理事業について
(1)令和2年度の実績
岡:千代田町三丁目土地区画整理事業は、街区を再編して区画道路を再び整備するとともに、広瀬川河畔緑地とも調和する街並みを創出することで、にぎわいの中にも品位があり、交流性の高い都市空間の創出を図る事業と伺っている。

現地を見てみると、建物の取り壊しがかなり進んできているように見受けられ、事業が進捗しているように感じる。そこで、令和2年度決算では約2億1400万円の支出とのことだが、実績について伺う。

(市街地整備課長)
千代田町三丁目土地区画整理事業の令和2年度における実績については、主な事業としては電線共同溝工事、下水道工事、建物移転補償を行った。これらにより、令和2年度の進捗率は、建物移転約88%、道路施工約32%、全体事業ベースで約60%となっている。

(2)事業完了の見通し
事業進捗率は約60%と伺い、建物の移転が進んでいるようでもまだまだ事業の完了までは先が長いように感じられる。

建物の移転後に空地が目立っているように見受けられるが、区画道路が整備されたあかつきにはまちの賑わいを生むような建物が整備されていくものと期待している。

区画道路等の整備により事業の完了が見えてくると、土地利用の転換がより進むものと思われるが、資料によると事業施行期間は平成23年度から令和9年度までとなっている。実際の事業完了の見通しについて伺う。

(答弁者 市街地整備課長)
千代田町三丁目土地区画整理事業の事業認可期間については、現在平成23年度から令和9年度までとなっている。

しかしながら、この期間は清算期間の5年を含んでいるため、事業の進捗を考慮いたしまして、今後の変更認可申請により令和9年度から数年程度延伸する予定となっている。

岡:令和9年度から数年程度延伸とのことで、完成されたまちの姿がみれるのはまだまだ先のようである。赤城山方面から来るとまちの玄関口とも言える場所であり、前橋のシンボル広瀬川も流れ、非常に魅力的なエリアになるのだと思う。先は長いがその間にも空地をうまく使ったイベントなど様々なP Rの可能性を考えながら進めていただきたいと思う。

3前橋工科大学学術指導について
(1)学術指導制度
岡:現在、中心市街地における広瀬川河畔緑地では広瀬川を生かした賑わいの創出を目的として整備工事が進められていると認識している。令和2年度の決算資料を見ると委託料の中に前橋工科大学学術指導とあるが、制度について伺う。

(市街地整備課長)
令和2年度の広瀬川整備事業では、工事発注に必要な資料作成を目的として詳細設計業務を実施したが、本業務の履行に併せて前橋工科大学の学術指導制度を活用した。

本制度は、行政や企業等の業務活動に対する支援を目的として、前橋工科大学の教員が専門的知識に基づき指導助言を行うものである。今回広瀬川河畔緑地の詳細な意匠検討を行うにあたり、都市環境デザインをご専門とされている総合デザイン工学科の杉浦准教授に学術指導をお願いし、アドバイスをいただいた。

(2)具体的な内容
岡:行政の諸課題に対して地元の研究機関である前橋工科大学の知見を生かす取り組みは大変有意義である。今後、他事業等に対しても大いに活用してもらいたい。

広瀬川河畔緑地の文学館エリア周辺は広瀬川景観形成重点地区として登録されており、前橋市の景観資源として非常に大切な場所であると認識している。多くの市民が注目している今回の整備について、専門家の意見を聞きながら丁寧に事業を進めていることは理解したが、前橋工科大学杉浦准教授による学術指導の具体的な内容について伺う。

(市街地整備課長)
杉浦准教授による学術指導の具体的な内容ですが、ランドスケープ・アーキテクチャーとして、ベンチなどのデザインや配置計画、照明計画及び植栽計画など多岐にわたりアドバイスをいただいた。

なお、今年度も杉浦准教授へ学術指導をお願いし、現在施工中の工事において設計段階では確認できなかった内容など、現場やオンラインで細部にわたりアドバイスをいただいている状況である。

4 中心市街地住宅転用促進事業補助金について
(1)支援内容
岡:中心市街地住宅転用促進事業補助金は、これまでシェアフラット馬場川や弁天シェアハウスに活用されるなど、学生や若い世代の方々がまちなかに関わるきっかけを創出しているものと認識している。そこで、まず令和2年度に300万円の助成を行った支援内容について伺う。

(市街地整備課長)
令和2年度に助成した支援内容については、空きビルを改装して留学生などが入居する多文化共生シェアハウスを運営する民間事業者に対し、居住スペースの改修工事に要した費用の一部を支援した。

(2)リノベーションまちづくりの進捗状況
岡:次に、こうした支援制度のもと、空き家や空き店舗等の遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」にも積極的に取り組んでいると聞いている。

これまで行政により80名を超える不動産オーナーや出店希望者とのヒアリング及びマッチングを実施し、また民間でもリノベーションを推進する新たな家守会社の設立やまちづくりファンドが誕生するなど、官民連携による動きが活発化している。そこで、リノベーションまちづくりの進捗状況について伺う。

(市街地整備課長)
リノベーションまちづくりの進捗状況については、個別でマッチングを行った不動産オーナーや出店を希望する民間事業者、新たに設立された民間の家守会社等との協議を進めた結果、現在では広瀬川河畔沿いを中心に、11件の新規事業化が予定している。

このほか、店舗や住居、シェアオフィス等への転用による相談案件も増加しており、今後も新規事業化に向けて官民連携して積極的に進めていく。

岡:現在私のところにも様々な相談がくる。店舗、オフィス、住居などであるが、そのどれを希望するのかによって使える補助金などが違うためなかなかいい誘導ができないと感じることがある。

中心市街地については店舗はもちろんオフィスや、住む人が増えることも交流人口の増加という観点から見れば効果がある。今後、例えばリノベーション補助金などに統一するというのも考えることも必要だ。

中心市街地の1階は店舗が望ましいが2階や3階を住居とする場合、例えば住居加算などがあれば、その加算された分で3階の住居部分も整えることが可能になる。

この場合は市外県外から移住してきてお店をやる方には有効だ。お店も増えるし人口も増える。空き家、空き店舗のリノベーション補助金がわかりやすくなることで今よりも既存の建物を活かすことが出来ると感じている。

5 屋外広告物許可事業について
(1)令和2年度実績と課題
岡:屋外広告物の掲出にあたっては、良好な景観形成のためにも、広告物と周辺環境との調和が重要であると考える。そのためにも条例で定められた基準が守られているか、審査する体制が不可欠であるが、屋外広告物許可申請の現状及び令和2年度実績についてお伺いしたい。また、屋外広告物条例の運営上の課題についても併せてお伺いしたい。

(都市計画課長)
令和2年度の屋外広告物許可の実績については、長期許可申請126件、更新許可480件、変更改造56件、短期許可23件の合計685件であった。申請の際に、条例で定める基準との適合審査を行い、屋外広告物の適正な掲出について指導している。

屋外広告物条例の運営上の課題としては、無許可で掲出される広告物が後を絶たず、後手に回らざるを得ない現状がある。結果として良好な景観形成を阻害しているケースもあり、是正指導と併せて、広告主や広告業者への意識啓発を行っていく必要があると考えている。

(2)是正指導の実績と今後
岡:続けて、違反広告物への是正指導の現状及び実績と今後の対応について伺う。

(都市計画課長)
屋外広告物の是正指導については、平成24年に「前橋市違反広告物是正指導計画」を策定し、平成27年度までの4か年にわたり、市内主要路線を是正指導路線に定め、調査や指導を進めてきた。

平成30年度からは是正指導の第2期計画として、新たに4つの路線で是正指導を行っていて、令和2年度までで、国道17号、国道353号、主要地方道高崎駒形線において是正指導を実施した。指導の結果、115件の違反広告物について是正がされた。指導しても是正がされない案件については、計画期間終了後も継続して指導を行っていく。併せて、広告主や広告業者に対する屋外広告物条例の制度周知に一層努め、違反広告物の抜本的な解消に向けて取り組んでいく

6 景観アドバイザー制度の推進について
(1)実績
岡:建築物や工作物を設置する際、専門家から無料でアドバイスを受けられるこの制度は、良好な景観形成を図るうえで有効な施策であると考える。

いつ、どのような経緯で始まった制度なのか、また、周知方法も含めたこれまでの実績について伺う。

(都市計画課長)
景観アドバイザー制度については、現行の景観条例の前身である「前橋市都市景観条例」に基づく取り組みで、平成8年に策定された「前橋市都市景観形成基本計画」に位置付けられた施策の一つである。

平成22年の「前橋市景観計画」の策定に伴い、新制度に移行しているが、内容としては、建築物や工作物等の施工主からの要請に応じ、専門的な立場から助言を行うもので、旧計画とほぼ同じ仕組みとなっている。

実績としては、旧計画時代の平成15年から積み重ね、令和3年度現在で37件となっている。

周知方法としては、公共事業で利用していただく際には関係各課へ打診し、一般の方へは広報、市HP、商工会議所の会報などへ掲載して募集している。

(2)積極的周知
昨年度は利用がなかったようであるが、良い取り組みであるので、もっと積極的な周知を図り、利用を促すべきと考えるがいかがか。

(都市計画課長)
制度の利用促進については、景観アドバイザー制度はもともと、景観条例(都市景観条例)に規定する「大規模行為の届出」があった案件に対し、その色彩やデザインについて専門家からのアドバイスを行うことが主眼であったので、これまでは都市整備が盛んになれば、本制度の利用も増えるという流れがあった。

しかし、近年では大規模な新設行為が減少し、中小規模のリノベーションが主流となっているので、本制度につきましても、そうした潮流にあわせて変化させていく必要があると考えている。

現在、街なかでは民間主導のまちづくりが進んでおりますが、そうした動きとタイアップし、制度の周知も含めてより使いやすい制度になるよう、検討してまいりたいと考えている。

7 広瀬川河畔重点地区景観形成助成金について
(1)周知
岡:広瀬川河畔を景観形成重点地区に指定し、美しい河畔景観を目指そうという取り組みは評価できるが、それを具現化する手段の一つである、助成金の利用が昨年度は非常に低調であった。現在、どのような周知を行っているのか。

(都市計画課長)
景観形成助成金の周知については、広報、市HP、商工会議所の会報などへの掲載のほか、対象区域の住戸に対し、毎年、チラシを毎戸配布している。

(2)他部署との連動
広瀬川河畔では、景観形成重点地区の指定のほかに、区画整理やリノベプロジェクト、河畔整備などの様々な手が入っている。

これらがばらばらに動くのではなく、何かが動くときには助成金も連動させれば効果的なのではないかと考えるが、いかがか。

(都市計画課長)
他部署との連動については、助成金の利用実績自体は少ないが、相談自体は継続的にあるとともに、チラシを見て、改築を検討し始める方々が多く、一定の効果はあると考えている。

また、関係部署とも定期的にやりとりをしているので、指摘のように、リノベーションのタイミングでの利用、区画整理に伴う整備での利用など、時機を捉えた実施に努めていく。

8 前橋総合運動公園整備事業について
岡:前橋総合運動公園はスポーツ施設の充実を図るとともに、防災機能も有する公園として拡張工事を進めていると伺っている。令和2年度の決算書によると施設の充実を図り、併せて地域避難地として前橋総合運動公園拡張地の施設整備工事を行ったと記載されているが、主な整備内容について伺う。

(公園緑地課長)
前橋総合運動公園の令和2年度の整備内容については、既存公園と拡張エリアを結ぶ連絡橋の工事を実施し2箇所の橋梁が完成した。

また、第2野球場と多目的グラウンドの雨水排水工事や給水管の整備工事、および駐車場と第2野球場周辺の電線管の整備工事を実施した。

来年度からは、第2野球場などのスポーツ施設を優先的に整備し早期に利用ができるよう事業を進めてまいりたいと考えている。

岡:前橋総合運動公園はもっと市民に愛着を持ってもらうこともできると思う。元々が赤城国体の時にテニスコートが整備されたことが公園の始まりである事などの歴史や、将来の全体完成図などを共有するだけでも印象は変わってくる。

また、前橋総合運動公園という名前も少しわかりずらいと感じる。相性を設定したりすることで市民の愛着は増す。前橋の総合運動公園略して「マエソー」など。

指定管理者制度なので管理者の自主事業などでもその価値を高めることができると考える。全体が完成するのはまだまだ先なようだが、現在の状態でも空きスペースなどでイベントを行うことも効果的である。

全体が完成する前だからこそできることもあると思う。出来上がった姿を市民に想像してもらうことで近隣の魅力向上の可能性もあるかもしれない。

□本日のめぶき 「前橋全部から9年」

前橋市議会議員 岡 正己

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