2022年12月9日

第4回定例会総括質問3日目、岡の質問。

第4回定例会 総括質問3日目 赤利根:岡 正己 23分間

質問原稿:抜粋
1 アーツ前橋について
写真:アーツ前橋外観
写真のコメント:アーツ前橋は、2013年に開館した、元デパートをリノベーションし、創造的であること、みんなで共有すること、対話的であることの3つをコンセプトに掲げたまちなかにある美術館。

質問(1)議案第135号
今定例会に上程されています、議案第135号「アーツ前橋における展覧会の記録集未発行に係る和解及び損害賠償の額を決定することについて」は、新聞報道や11月の市民経済常任委員会を受けて、担当課からの詳細説明がありましたが、11月29日の議会運営委員会で12日の市民経済常任委員会に付託されることになりました。この事案は、借用作品の紛失事案と同時期ということもあり、市内外の関心も高くなっています。細かい部分は委員会での審査になりますが、アーツ前橋展覧会記録集未発行に関する事案に関して、作家の選定から契約締結に至るまでのプロセスがどのように行われていたのか伺います。

(答弁者 文化スポーツ観光部長)
最初に作家の選定については、館長を含めたアーツ前橋の学芸員が定例的に行っている学芸会議などで企画展のテーマに相応しい作家を決定しています。該当の展覧会は、アートを通した学びをテーマにしていたことから、教育を中心テーマのひとつとして活動している作家を選定しました。次に契約に至るまでのプロセスですが、展覧会開催前年となる平成30年秋頃からアーツ前橋と作家側とで打合せを重ね、開催年の平成31年3月頃までに大枠の内容が固まり、詳細が確定した令和元年5月に契約を締結いたしました。

岡コメント:該当の展覧会「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX:未来を考えるための教室」は、子供たちが我々市議会議員の肖像画を描き名前を読み上げるというものや、子供達が自分たちの主張をデモのようにプラカードに掲げ行進するチルドレンズプライド、私の子供たちも「S F映画を作ろう」というワークショップに参加したこともあって展覧会の内容は非常に良く覚えています。アーティストの山本高之氏は元小学校教諭ということもありそのキャリアや作品も「アートを通した学び」がテーマの展覧会であれば選定は間違っていなかったように思えました。また、前年度の秋頃から半年以上かけて締結した契約であるということです。作家の選定は間違っていなかった、契約も間違っていなかった。今回の事案は作家と結んだ契約通りに履行されていればいいだけのことです。ではなぜそれができなかったのか。この部分は12日の委員会で審査していければと思います。

質問(2)あり方検討委員会
アーツ前橋では、借用作品の紛失事案を受けて「アーツ前橋あり方検討委員会」が設置され議論がなされてきました。今回の記録集未発行事案も、紛失事案とほぼ同時期に起こっていたこともあり、問題の根本は共通していると思いますが、当局の見解を伺います

(答弁者 文化スポーツ観光部長)
アーツ前橋あり方検討委員会では、紛失事案の問題は、主に適切な作品管理体制ができていなかったことやガバナンスに問題があったとの認識のもと、コンプライアンスやリスクマネジメント、組織運営・人材育成も含めた「再発防止の提言」を受けましたが、ご質問のとおり記録集未発行事案につきましても、このような事案が発生した原因の根底では作品紛失事案と共通しているところがあると考えております。従いまして、アーツ前橋あり方検討委員会からの提言は、作品紛失の再発防止に限らず、これからのアーツ前橋のすべての活動に対して常に意識していかなければならないものと認識しております

質問(3) ガバナンス
今回の事案は、契約関係の不備も含め特別職へのガバナンスが十分に発揮されなかったのではないかと感じています。非常勤特別職であった館長のガバナンス体制について伺う。

(答弁者 総務部長)
非常勤特別職については、地方公務員法の適用外となりますが、アーツ前橋は、組織上文化国際課に位置しているため、館長を指導する立場とすれば、文化国際課長あるいは文化スポーツ観光部長となってまいります。また、公益通報制度等についても、一般職員同様に通報の対象となっております。ご質問の中で、ガバナンス体制が不十分だったのではないかというお話もありましたが、関係部署とも一層の連絡調整を行いながら、全庁で意識を高めて対応してまいりたいと考えております。

岡コメント:展覧会の内容、招聘作家等、アートの専門分野は館長に決定権があるべきだと考えますが、契約に関してなど行政の専門分野は別であると思います。アーツ前橋の現場で起きた間違いが文化国際課長、文化スポーツ観光部長でも決裁されたときに、総務部の契約管理課の立場として契約通りに履行するように促せなかったのか、またそれができないのであれば変更契約は結べなかったのか、または職員課として契約通りに履行しない特別職に対してどう対処するのか。

これは当時の館長が非常勤特別職であり、アーツ前橋が前橋市の中では新しい政策領域であったことも影響しているとは思いますが、当初の契約通りに履行させることができなければガバナンスが効いていたとは言いづらいと思います。

部を超えてガバナンスを効かせることが、当時の館長を守ることであり、アーツ前橋を守ることでありました。質問の冒頭でも申しましたが、アーツ前橋は、新しい価値の創造都市のシンボル的な存在であり、前橋にとって非常に重要な施設です。

質問(4)特別館長
現在選考中の特別館長には専門性の発揮を期待するところでありますが、引き続き、特別職である特別館長を設ける中で、同様の問題が起きないよう、どのように館を運営していくのか、当局の考えを伺います。

(答弁者 文化スポーツ観光部長)
今後の館の運営についてでございますが、一般職の館長と特別職である特別館長の所掌事務や権限をしっかり線引きしたいと考えております。具体的には予算執行や契約事務、施設運営のほか、職員の労務管理などは一般職館長の管理責任の下で行い、美術作品の管理や展覧会などは、特別館長の専門性を尊重するとともに、事務職員と学芸員とで情報を共有しながら、互いに支え合える体制を構築し、こうした体制で館を運営することで再発防止を図ってまいりたいと考えております。

岡コメント:収蔵品、展覧会などアートの領域のものは特別館長の専門性を重視していかなければなりません。また特別館長と現場での専門性を共に共有する学芸課長にあたるポジションも重要であると感じています。来年度にはしっかりとした形で再スタートできるように体制を整えていただきたいと思います。

2 新しい価値の創造について
質問:(1)地域通貨の導入
写真:スマホの画面のスクリーンショット
写真のコメント:群馬県内だけでなく全国的に導入が進んでいる電子地域通貨。コロナ禍で一気に普及し、地域の経済循環だけではなく新たな関係人口を生むなどそれはまさに新しい価値の創造であります。

本市は「前橋市内店舗応援電子チケット事業」で取り組みは速かったのものの、その後の検証もなく継続するのか、別のものにするのかわからない状況です。また、産業経済部所管のプレミアム付き商品券は紙での発行となり、電子地域通貨に関してはどの部署がどのように取り組んでいくのか見えてきません。

現在は、国のデジタル田園都市国家構想の中でも「めぶくID」の取り組みが進んでいます。システム的には情報政策課なのか、「めぶくI D」ということになれば未来政策課なのか、施策的にはにぎわい課なのか。どこが音頭を取るのかということになれば電子地域通貨の利便性から考えると幅広い分野に可能性があるためトップダウン的に施策展開をしていくしかないと感じています。このようななか、本市として地域通貨の導入をどのように進めていくのか、副市長に考えを伺います。

(答弁者 副市長)
地域通貨については、市内での消費を促し地域経済を活性化させる大きな効果が期待できるうえ、コロナ禍においては、電子化により感染対策にも配慮した形で実施することができ、現在の社会経済状況を踏まえた有用な地域活性化のツールであると考えております。

一方、デジタル田園都市国家構想推進交付金を受けてまえばし暮らしテック推進事業で構築を進めております「めぶくID」につきましても、将来構想として決済機能や地域通貨等での活用を想定しつつ、実装を目指して事業を進めているところとなります。地域通貨の導入につきましては、将来的なめぶくIDとの紐づけ・連携を視野に入れながら、早期導入に向けて関係部署や関係機関と検討を進めてまいりたいと考えております。

質問(2)めぶくアプリ、めぶくID
①めぶくIDには期待をするところではありますが、私も先日の「まえばしブックフェス」に参加するにおいて「めぶくアプリ」を取得しましたが、この他に「めぶくIDアプリ」もあり、それぞれどのように利用、機能するものなのか、今後の展開と利用状況について伺います

(答弁者 未来創造部長)
まず、「めぶくIDアプリ」についてでございます。このアプリは、「めぶくID」を発行する機能と、法的な本人確認が必要な手続を行う際に必要な電子証明書を発行する機能を有しており、基本的にめぶくIDを発行する時だけ直接的に利用し、サービス利用時に常時使用するアプリではありません。

次に、「めぶくアプリ」についてでございますが、めぶくIDを使った様々なサービスを展開する中で、利用者にとっては共通の入口があれば使いやすいと考え、「めぶくアプリ」を用意することとしました。めぶくアプリは「めぶくID発行ボタン」から「めぶくIDアプリ」を呼び出す機能や、利用者が自身の情報を登録管理するオプトイン機能にアクセスでき、今後、めぶくIDを使った様々なサービスにも、めぶくアプリを入口としてアクセスすることを想定しています。

なお、利用状況といたしましては、10月21日に各ストアにリリース以降、12月2日現在で「めぶくIDアプリ」が684、「めぶくアプリ」が2,883のダウンロード数となり、めぶくIDの発行数が285、仮めぶくIDの発行数が2,764となっております。

②Join、仮めぶくID
私もダウンロードしてそのままになってしまっているのでこれは何かしらのアナウンスをする必要を感じています。人によってはいらないアプリを整理してしまう人もいるので現在の2,883という数も何かしらのアクションがなければ減ってきてしまうと思います。

まえばしブックフェスでは、この「めぶくアプリ」を使ってJoinというものが貯まる仕組みとなっていましたが、このJoinについて、どのようなものなのか、今後どう展開するのか伺います。また、ブックフェスでは「仮めぶくID」もありましたが、こちらも今後利用する予定があるのか併せて伺います。

(答弁者 未来創造部長)
「めぶくアプリ」のJoinについてでございます。現在「めぶくアプリ」に貯まっているJoinですが、現時点ではブックフェスという場を使って実証として利用した機能でございます。今後、まえばし暮らしテック推進事業の「共助ポイント」の取り組みにおいて、様々な助け合いを促進するマッチングの際に、Joinを付与していく仕組みを構築しており、将来的には、Joinが地域活性化につながるものとなるよう検討しております。

次に、「仮めぶくID」についてですが、「めぶくID」がマイナンバーカードを読み込み個人認証、電子証明発行を行う機能に対し、「仮めぶくID」はマイナンバーカードの読込による本人確認等を行わない簡易なIDであり、今後も「まえばしブックフェス」のような不特定多数の方々やマイナンバーカード未取得者または読み込みを希望しない方などを対象にイベント等で利用することを想定しております。

岡コメント:焦っても仕方がないとは思いますが、現在の前橋市の施策・事業に当てはめてみると、この「めぶくアプリ」や「仮めぶくI D」が使えれば良かったなと思ってしまうものがたくさんあります。答弁にもあった通り「共助ポイント」で地域の困りごとの解決にJ O I Nのポイントがつけば、あらゆる部分の困りごとが地域の経済循環を生むことになります。沢山考えられる中でも私の考える「もしめぶくI Dがあったら」と思わせる3つをお伝えさせていただきたいと思います。

まずは「はたちの集い」です。スマホ保有率がほぼ100%であると思われる世代であり参加した方に「はたちポイント」など付与できれば前橋在住者だけではなく帰郷した人たちにもダウンロードを促進できると考えます。また、その後前橋帰ってきた際には例えば「おかえりポイント」を付与するなどでめぶくI Dが故郷との接点となることもあります。今年の10月に行われた第84回全国都市問題会議のパネルディスカッションで報告された飛騨市の都竹(つづく)市長の見解では、関係人口は関心人口、交流人口、行動人口の3段階に分けられるとのことでした。めぶくI Dを駆使すればより繋がりの強い関係人口に発展できる可能性があるのです。

また、2つ目は、現在実施中の「まえばしU29応援ポイント」です。こちらもスマホ普及率は100パーセントに近いと思います。現在は、d払い、au P A Y、楽天Edyの3サービスですが、これではマイナンバーの普及をただ促進するだけです。これがめぶくI Dの地域ポイントでできれば、お店の利用履歴などから情報を受け取るこや、また使える店舗の情報などを含めた前橋の情報を届けることもできます。地域経済の好循環と利用者と前橋の接点を作ることもできます。

そして、3つ目は、まちなかのイベント紹介サイトigooと連動です。このJoinですがイベント参加などでも付与できると考えると、どのイベントでポイントを付与するのか、その基準は一つ課題になるかなと感じています。Igooであれば一定の基準を設けてイベントを精査しているのでigooに登録したイベントに参加するとJoinが増えるというのはいいのかなと思います。前橋市にはめぶくI Dのダウンロードの促進というメリット、参加者にはJoinが増やせるというメリット、イベント主催者側はさらなる広報に繋がるというメリットで三方よしです。イベントを回ることや共助ポイントでJ OI Nが貯まり、それがポイントとして地域で使える。利便性向上と地域内経済の好循環を産む、めぶくI Dに期待しております。

 3 前橋市の教育について
質問:(1) 給食時の会話
11月29日付の文部科学省 初等中等教育局 健康教育・食育課 の事務連絡により、「必ず「黙食」とすることを求めてはいない」と明記されました。これは全国的なニュースになりましたが、文科省はそもそも黙食は求めていなかったとしていました。しかし「衛生管理マニュアル」に基づいて対応した場合それは黙食以外のなんでもありません。
これは、「“黙食”という言葉は使ってこなかったから、黙食を求めたわけではない」という責任を現場に押し付けるような内容であるとも感じます。教育委員会としての対応を伺います。

(答弁者 教育次長)
学校における黙食廃止についてのご質問ですが、現在、学校給食の喫食につきましては、国の「衛生管理マニュアル」に基づき対応をしております。
本マニュアルでは、会食に当たっては、飛沫を飛ばさないよう、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応が必要とされており、必ずしも黙食を求めておりませんが、結果的に子どもたちが会話を控える状況に繋がっていた現状がありました。11月29日付事務連絡において、給食中の黙食は求めていないことが明文化され、座席配置の工夫や換気の確保等の感染対策を講じたうえで、給食時間において、児童生徒等の間で会話も可能とされています。本通知の趣旨を正しく理解し対応できるよう、12月2日付けで、各学校に通知し周知を図りました。

岡コメント:今まで先生に「ダメダメ」と言われたものが、いきなりO Kとなってもなかなか対応できないと思います。学校へ通知したとのことですがそれがどのくらい児童生徒保護者に伝わっているのでしょうか。

このコロナ禍の3年間で染み付いてしまった黙食は、もはや習慣を超えて文化になってしまっていることすら考えられます。特に今の小学生1年〜3年生に対しては、先生から率先して会話を促す等しなければならないと感じます。

全国には各教育委員会単位で独自の判断をしているところもたくさんあります。福岡市は子供たちが友達と楽しく食事をする大切さ等の食育の観点から、今年の6月より給食時間の黙食緩和をスタートし、その後感染者が増加しても、各学校では感染状況に応じて、可能な範囲での黙食の緩和に努め、黙食緩和の影響で感染が拡大した事例はないという独自のエビデンスをもとに本来の給食の姿を独自で取り戻したのです。ここが重要です。

文科省の通達ではなくて、前橋市としてはという見解を示していただきたかったです。家族の食事は会話O K、大人の食事は会話O K、ではなぜ子供たちの給食だけが犠牲になっていたのか。責任逃れにならないように未来ある子供たちのことを一番に考えてください。学校に通知して終わりではなく、オレンジメールなどで児童生徒保護者への積極的周知を要望して私の質問を終わりにします。

□本日のめぶき 「新議会棟の議場の質問席は高さ調節が可能」

前橋市議会議員 岡 正己

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あかとねの日々の活動レポート

2024年5月15日

岡 正己 議員

馬鹿。

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