2018年5月29日
原因はどこに。
群馬県の県庁所在地は前橋市である。
その前橋市の駅前にはエキータという建物がある。
このエキータは一階が廃墟のように何も無い空間が広がっている。
駅の前、県庁所在地の駅の前がこの状況なのである。
ここまで何もないと逆に何かできそうである。
このエキータには歴史がある。
元々はイトーヨーカドーで、賑わっていた時期もあるがその後撤退。
食品スーパー、小売店、飲食店、託児所、フィットネスクラブ、事務所などが入る複合施設としてエキータとなった。
私は開業当時、前橋のラジオ局に勤めていたので
事前説明会や開業セレモニーを取材したことがある。
その完成図には「賑わい創出年間何億人!」
という人でごった返したイラストが描かれていた。
しかし開業時には半分のテナントが間に合わないという事態に。
もはや嘘つきである。
あの開業時に今の状況を想像できたといえばできていた。
その後一つ、また一つとお店が撤退して、
空きスペースがどんどん増えていく。
空きスペースが広がるとその流れは止められない。
あれよあれよという間にフロア一階全て空きスペースに。
もはや空き階である。
現状を嘆いても仕方ない。失敗から学べることもあるだろう。
全国の皆様にはぜひ視察に訪れてほしい。
一度は地下一階にパチンコ店が入店したが
何らかの事情で長期休暇に入ってしまった。
原因は色々想像できると思うがこれで一階、地下一階共に空き階となりそうだ。
パチンコ店は駅前の活性化に寄与したいとの想いもあったと思う。
こういった状況は前橋だけに限ったことではない。
全国で色々な事例も聞いたことがあるし、私も実際に見にいったこともある。
このエキータは完全に失敗だったと言ってもいい。
その失敗から何を学ぶか。
駅前の問題は市民だけの問題ではない。
駅とは市外県外から多くの人が集まるところだ。
市外県外の人たちに与えるイメージはどうだろうか。
この寂れたイメージは尾ひれ背びれがついて広がっていくだろう。
こうなってしまった原因はどこにあるのか。
この駅前の広大なスペースに新しい価値を創造していくことが必要である。
前橋市議会 議員 岡 正己