2023年10月26日

第18回市議会議長会研究フォーラムin北九州1日目。

第18回市議会議長会研究フォーラムin北九州1日目は、基調講演とパネルディスカッションです。

基調講演は元鳥取県知事で大正大学教授兼地域構想研究所長の片山 善博氏から「躍動的でワクワクする市議会に」と言うテーマです。言うのは簡単です。市民が市議会にワクワクするなんて聞いたことがありません(炎上案件以外)。片山氏の経歴はウィキペディアなどで詳しく見ることができますが、東大〜自治省〜鳥取県知事〜総務大臣(民間人官僚)大学教授などという経歴です。

内容は県知事の経験からの地方議会改革です。議会DXなどと言われいますがこの「X」はトランスフォーメーションです。「X」になるには風土をガラリと変えるくらいの変化が必要。

現在の市議会を住民目線で見た時に本来の機能が(要素)が欠けていると言います。決定機関の要素としてかけているものは以下の3点
1、議場での公開の場での真剣な議論
2、税の議論をほとんどしない(全くないわけではない。例えば夕張の例:住民税を上げた)
3、住民の声が聴こえない 住民の発言機会がほぼない (欧米と比べると)

1、議場での公開の場での真剣な議論
特に議案についてです。予算案が無傷で通ることが当たり前になっていないか。これは前橋でもほとんど無傷で通っています。一度だけ修正案を提出した会派がいましたが否決されました。冷静な議会の議論の中で予算が変わることがないということは、出来レースみたいになっている(見えている)ということです。市民にとっては公に出てきた時が勝負なので、裏でやっていることは市民からは見えない。議場で公開の場で議論して物事を変えていくことでハラハラしたり興味を持つ、面白ければ議場に来る。確かにその通り。面白ければ興味が湧きます。日常的に予算修正を行えるような議会になるべきです。

2、税の議論
埼玉の例です。財政が厳しくて学校の補修ができない。お金がないならどうすればいいのか? お金ないなら税率(固定資産税は大体1.4%※実は根拠なし)を上げればいいのです。その考えがないから思考が閉鎖的になってしまっています。

本当に必要なものに充てるために、固定資産税1.4を1.5にあげる議論をする。それが地方議会だと言います。確かに思考停止状態です。その考えは全くありませんでした。必要なものに充てたらまた1.4に元に戻せばいいのです。もちろんこれは納税者の同意があればですが、納税者の同意とは議会の同意です。住民税の税率(6%)も自由とのことです。税率を上げるのはなかなか勇気のいることですが、市民が本当に必要だと感じていてそれによって課題解決になるのであれば説得する意義は非常に大きいです。また市民も興味が湧きます。しかしまずは予算をしっかりと精査すること。よく見ればどうでもいい予算はゴロゴロしていると片山氏。いらない予算を議会が判断し修正すればいいのです。

3、住民の声を聞く必要がある
どうやって取り込むのか。アメリカの例:予算がないので図書館の予算減らして分館を閉鎖し時間も短縮する。そこで住民の声を聞く。片山氏が心打たれた例として「移民だ、良きアメリカ人になろうと思って学んだのは図書館です。お世話になった。自分の故郷の新聞もある」、「子供が分館をよく使っている(「MORE BOOKS」というプラカードを掲げて)結果は議案取り下げになった。

では予算はどうするか?議会の委員会提案で予算の増額修正を行った。財源は、固定資産税(財産税)を5年間上げて賄うというのが実現した。これぞ議会。関心の渦中に議会があります。

地方議会は、税率の議論を、議案の処理に住民参加を、そうすれば真剣な議論になり市民の興味関心も湧いてきます。

・現行の議会の権限を使って
現行の制度でも色々できます。重要なのはもっと議案を丁寧に審議すること。執行部の議案を鵜呑みにせず裏を取る作業をしていく。執行部は本質を逃していくのでそれらを見ぬいていく。地方自治は住民との距離が近いので意見を取り入れやすいはず。公聴会の制度を使わなくても条例を作るのでもいい。例えば議会がアンケートやるなど。議会が予算とってアンケートすることもできる。

□教育委委員会に目配りを!!
教育は国家の最重要の行政課題です。特に義務教育です。現場は疲弊しています。例:いじめ、不登校、先生多忙化、なりて不足、定数など。学校はブラック職場であるというのが学生の中で共有されています。いい人材が集まりづらくなっている。

教員の職場の管理は設置している教育委員会です。仕事減らす、教員を増やす(県と相談すればいい)などできるはずです。鳥取県は、独自財源で県と市で財源折半し独自の教員を雇ったとのことです。

また教育委員もポイントです。名誉職みたいになっていないか。民間であれば社外取締役みたいなものです。市長の任命責任は最終決断は議会です。教育委員を吟味する(一人一人呼んで)プロセスがあってもいい。教育委員になる、常識、責任感、時間的余裕があるのか等。県教委にものが言える人なのかという部分も重要。学校の先生上がりでは県の教育委員との関係が難しい。

最後に、「県議会に感謝している」。鳥取県は男女共同参画ダントツ1位。それには男女共同参画推進条例を議員立法で作った経緯がある。4割6割の範囲で収めるという内容。男性の育児休業取得もトップとのことで、育児休業をとった部長の話を次の議会で報告させるという当時の議長の起点が革命につながった。参考になる話ばかりですが前橋市に置き換えるとなかなかハードルの高さを感じてしまいます。議会DXできる時は来るのでしょうか。

休憩を挟んでパネルディスカッションへ
テーマは「統一地方選挙の検証と地方議会の課題」

コーディネーター 谷 隆徳(日本経済新聞編集委員)
パネリスト 勢一 智子(西南学院大学法学部教授)、辻 陽(近畿大学法学部教授)、濵田 真里(Stand by Women代表 女性議員のハラスメント相談センター共同代表)、鷹木 研一郎(北九州市議会議長)

まずは統一地方選について。投票率は過去最低で無投票当選は200人以上にも上った。 中でも大きなトピックとなったのは定数割れが起こった岡谷市で説明会の時点では5人欠員の状態。まさになりて不足です。 しかし女性議員は増加したり兼業規定の緩和が半世紀ぶりに行われたりとポジテイブなこともあった。

冒頭は各パネリストが統一地方選をどう捉えたかを交えながらの自己紹介です。 各パネリストの発言の中から「なりて不足」の問題は全国共通ではないとも感じることができる。現に前橋市は定数割れなどしていません。女性の数が増えて、若年齢化もしているのである意味健全な状態であると感じました。

各パネリストの発言から自分的ピックアップしたものを記しておきます
・多様な人材の参画が可能な住民に開かれた議会機能を持つ
・全国議長会等と連携しながら情報を収集し、議会基本条例に地域の実情に応じて明確化する
・労働市場の変化も必要:社会経験を活かせる議会、議員として得た経験を活かせる社会
・多くの市民の意見を聞く機関でなければならない
・多くの議員が同時に市民の意見を聞く機会も重要
・政策条例作るにあたってはパブコメなどは必要
・提案の段階で市民の声を反映するシステム
・主権者養育ももちろん重要
・中立であり透明性のある東京都狛江市のハラスメントフロー

□本日のめぶき 「MEGAHERTZ」

夜はカクウチ〜カクウチ〜BAR〜DJ BARとしっかりと満喫させていただきました。最終目的地はMEGAHERTZというDJ BARに。毎日何かしらやっているお店があるって素晴らしい。北九州は飲食店が豊富で価格も安い印象でした。

前橋市議会議員 岡 正己

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