2017年11月11日
全国都市問題会議にて沖縄 vol.3
「よく見なさい、勉強しないとこんな仕事になるわよ」
富山県高岡市で産業観光による地方創生を掲げる『株式会社能作』の能作克治社長が、25年前に当時珍しかった親子連れが見学したいと工場へやってきたので鋳物の技術を見せようと頑張って働いていたら投げかけられた言葉だ。
愕然としたらしい。
この言葉がきっかけで能作社長は職人の地位を高め、子供達に誇りに思ってもらえる仕事にしたいと決意したという。
“能を作る” 株式会社能作 素晴らしい。是非一度ホームページをチェックしていただきたい。
富山県高岡市では小中学校の子供達に伝統工業の素晴らしさを伝える授業「ものづくり・デザイン科」があり今年で12年目だそう。この授業をきっかけに鋳物に興味を持った女子生徒が能作さんに入社したらしい。行政もしっかりしている。教育という部分は本当に重要だ。
2日目はパネルディスカッション。5人のパネリストからのプレゼンはどれも刺激的だった。
その5人の中でひときわ目立つ緑色の女性。何かある。と直感で感じた。緑がとても主張している。
答えは静岡県島田市長、染谷絹代氏である。お茶の緑。
島田市は「島田市緑茶化計画」と称しお茶の産地としてのイメージを前面に押し出している。
ロゴマークも国内向けと国外向けで使い分けるなどブランディングもしっかりしていた。
驚いたのは島田市の小学校で水道からお茶が出るところがあるということだ。市役所のポストも緑。
「しまだ大井川マラソンin リバティ」というマラソン大会がある。ヴィジョンもしっかりとしている。
前橋はどうだろうか。「前橋・渋川シティマラソン」という大会がある。この二つのマラソン大会のホームページを見比べていただきたい。前橋の方はとても大きなものが欠けている。
大会の特徴の部分である。誠に残念だかが前橋には大会の特徴が見当たらない。
私は、この大会の名称を「前橋・渋川利根川マラソン」にしてはどうか。と平成29年第1回定例会で提案させていただいた。
このマラソン大会はシティというよりも利根川沿いをコースにしている。日本一の流域面積を誇る利根川の名前をなぜ利用しないのか。自分たちの魅力に気付けていないと感じる。
島田市はさすがだ。全力でPRしようという姿勢が感じられる。
その結果が「全国ランニング大会100選」や「全国ご当地マラソン協議会」などに選出されている理由だと思う。
前橋もしっかり考えないといけない。
今回のパネルディスカッションでは本当に大きな学びを頂いた。
私のメモをここに記しておく。
(MEMO)
・キャッチャー論:ピッチャー(行政)が豪速球や変化球を投げても受け取るキャッチャー(民間や外郭団体)がその球を受け取れないと意味がない。キャッチャーの意識もどうjに高めていくことが必要。
・デザインとアート:デザインは最も最適だと思われる答えである。ではアートとは何か。アートとは問いかけである。このバランスにより人間性を高めていく。
・コミュニテイ:台湾では以前コミュニティを“社”と訳していたがここ最近は“社群”と訳す。
・MAP:これからのMAPは、エリア、ロード、ステークホルダーの見えるものに。場所だけではなく歴史、誰が、の部分が重要。
・市民起点:新たな担い手育成のため共感を核とするイベント
・ルーツツーリズム:県外に出てしまった出身者を1年に1回くらいは地元に帰ろうと促すツーリズム。
・プレゼン力:補助金を出すときにプレゼン力求める。そのプレゼン力は自立する時の力になる。
・褒め出し:ダメ出しではなく褒め出し、褒め出し7、ダメ出し3くらいがちょうどいい
・行政は一戦必勝:この考え方では新しいものは何も生まれない、7敗3勝くらいのつもりで行くことでチャレンジできる
・陳情型はNGこれからは提案型:「なんとかしてください」ではなくて、「こうしたほうがいいと思う」
前橋市議会 議員 岡正己