2019年1月25日
スポーツ庁。
議員発議でスポーツ推進条例制定を目指し、スポーツ庁の取り組みを伺うために衆議院第二会館へ。現衆議院議員の中曽根康隆議員事務所のアレンジで会議室をお借りしてお話を聞くことができた。地元の国会議員によって国の様々な政策を細かく知ることができることは大変ありがたい。ここで得たものを前橋に活かしていきたい。
9階からの眺め。国会議事堂の裏側をマジマジと見たのは初めてだ。
第8会議室は地下一階。地下には食堂やコンビニ、カフェなどもある。
視察項目は3つ
(1)スポーツの成長産業化〜スポーツの場からイノベーションを創出する〜
(2)総合型地域スポーツクラブについて
(3)障害のある人のスポーツ活動推進に向けた現状と課題について
(1)現状5.5兆円のスポーツ市場を2025年に15兆円にするという目標を立てて、スポーツで社会を変える。具体的な施策としては、スタジアム・アリーナ改革、スポーツ経営人材の育成・活用、スポーツオープンイノベーションの推進、スポーツ・ツーリズムの推進、海外展開事業、スポーツ実施率の向上等。スポーツ環境の改善→スポーツ参画人口の拡大→スポーツ市場の拡大→スポーツ環境の改善→ とさせることでスポーツ市場の拡大と再投資の好循環を生む。
日本経済再生本部の「未来投資戦略2018」によるとスポーツ市場拡大、スタジアム・アリーナ、成人のスポーツ実施率の目標に向けて新たに講ずべき具体的対策として、①スポーツを核とした地域活性化 ②スポーツの成長産業化の基盤形成 ③スポーツの海外展開の促進をあげている。ではそのためにはどうすれば良いか。イノベーションである。
イノベーションの1として「スタジアム・アリーナ改革」がある。これは観るスポーツ環境の充実させることでまちづくりへの起爆剤として2025年までに20拠点を実現したいとするもの。多様な世代が集う交流拠点を目指し、現状の単機能型から多機能型へ。行政主導から民間活力導入へ。郊外立地から街なか立地へ。低収益性から収益性改善し現状のコストセンターからプロフィットセンターとなることが求められている。スタジアム・アリーナ改革による地域への効果は、地域のシンボルとなる、新たな産業集積の創出、地域への波及効果を活用したまちづくり、地域の持続的成長などは期待できる。
今全国で、スタジアム・アリーナ建替構想は82件あるという。中でも、岡山市は新庁舎の建替を総合型アリーナ構想で実施するという。岡山シーガルスという女子バレーボールチームのメインアリーナが組み込まれる。市庁舎に組み込まれるのは全国でも稀な事例だという。また、長崎市のJR長崎駅から近い、三菱重工業工場跡地にV・ファーレン長崎というサッカーチームのホームスタジアムとホテル、オフィス等も整備される。2023年竣工を目指している。街なかにスタジアムを、という構想はもちろん理解できるがもともと様々なものが集積しているから街なかなのだ。そこに広大なスペースの確保は難しい。
イノベーションの2として「SOIP(Sports Open Innovation Platform)」がある。これはスポンサーシップの変革、オープンイノベーションの加速化、データの見える化、データ活用をテーマにしている。SOIPの目的は、スポーツの場におけるオープンイノベーションを促進し、スポーツへの投資促進やスポーツの価値高度化を図るとともに、スポーツの場から他産業の価値高度化や社会課題の解決につながる新たな財・サービスが創出される社会の実現を目指すこと。スポーツ団体などが持つデータや権利や施設等、大学や企業が持つ技術やノウハウ等、大学や研究機関が持つ知識検証等、企業や金融が持つ事業や人材等を一つのプラットフォームに吐き出してそこからイノベーションを起こそうというものである。
その背景としてダイレクトマーケティング市場の拡大がある。マスコミ4媒体の広告費は年々右肩下がりであるが世界的に見るとスポンサーシップは右肩上がりで増加している。また、スポーツが持つ価値や特性、様々な権利を活用できる利点やスポンサー等の価値向上や課題解決のために活用が可能だ。具体的には、新製品・サービス試供の場、国内外企業マッチングの場、社会課題発信の場、新製品・サービス創出の場などがある。スポーツはまだまだ利用価値がありすぎる。
スポーツ界が有する多様なリソースを解放することで、他産業や大学・研究機関等が有するリソースの融合によるオープンイノベーションをもたらし、スポーツへの投資を促す。リソースを解放することで起きる新しい価値の創造である。
スポーツの価値高度化、多産業の価値高度化、社会課題の解決。これがSOIPにより推進されるオープンイノベーションだ。いずれはこの3つの部分が連結していくことも必要に感じる。スポーツの価値を高度化することが、多産業の価値高度化につながり、それらが回り回って我々の社会課題を解決していく。そんな展開の期待してしまう。
内容があまりに濃いのでまた明日!
前橋市議会 議員 岡 正己