2019年7月15日

空っぽの瓶と代用チョコレート。

代用チョコレートというものがあるらしい。その名の通りチョコレートの代用品として砂糖が貴重な時に芋などで作る甘いお菓子のこと。芋に含まれるグルコースが甘さを感じさせてくれるらしい(確かそんな感じの説明だった。違ったらすみません)。初めて食べる代用チョコレートは、例えるならば、冷やしスウィートポテト小豆ココナッツ風味と言ったところか。とにかく普通のチョコレートとは程遠い。この代用チョコレートは1945年のレシピから作られたものだ。作ってくれた人はキム・ジェミニ、韓国人のアーティストだ。

アーツ前橋では、滞在及び制作のための施設「竪町スタジオ」を拠点として国内外よりアーティストを招聘し、滞在制作事業を行なっている。海外在住のアーティストを対象とした滞在制作では、本年度より国立美術館レジデンシー・コヤン(MMCA Residency Goyang /韓国)と二国間交流事業プログラムが実施されている。このプログラムにより、現在前橋まちなかの「竪町スタジオ」にて滞在制作を行っているのがキム・ジェミニである。

キムは1975年生まれで、現在は韓国を拠点に活動している。韓国と東アジアでポスト植民地研究に取り組んでいるリサーチベースのアーティスト。今回の滞在では、地域の歴史、小さな物語と地域の「文化の融合した食」についてのリサーチを行い、作品制作を行うとうことだ。今回の代用チョコレートもそのリサーチの中から出てきたレシピをもとにしているもの。

6月から滞在しているので途中経過報告的な集まりとして、代用チョコレートとフランスの田舎料理とぐんまのワインを食すイベント「コッコーヴァンと空っぽの瓶」が開かれた。

外国人のアーティストの外から目線は本当に刺激になる。中にいる我々には見えていないものが前橋(群馬)として見えているのだ。「コッコーヴァンと空っぽの瓶」と言うイベントのタイトルには、実は作品制作の重要なパーツが隠されていた。戦時中の精米方法として一升瓶の中に玄米を入れて、それを棒で突いて精米するという方法がある。日本では子供の仕事だったらしく1300回くらいつくと白米になるらしい。これが今ジェミニがリサーチしている「文化の融合した食」と言う部分に引っかかっているのか。

作品には透明の一升瓶が必要になると言うことで、ぐんまワイン(ロゼ)をみんなで飲んで空にしようと言うテーマもあって面白かった。透明な一升瓶は意外と少なくインターネットなどで透明な一升瓶を買うより、道の駅で売っているぐんまワインの方が安いらしい。

ぐんまワインでいい感じになったので、歌を歌いながらペースをキープしたまま突いていると瓶の底が地面にぶつかり割れてしまった。瓶の中のお米は5分づきくらいだろうか、周りのぬかが取れていた。

何事も張り切りすぎは禁物だ。これらの瓶を使った作品を制作予定とのことで8月24日(土)のパブリックプログラムがとても楽しみになった。

前橋市議会議員 岡 正己

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