2019年10月16日

市民経済常任委員会行政視察1日目。

市民経済常任委員会の行政視察。私を含めた委員9人と事務局2人の11人で2泊3日の工程。初日は福井市へ。

台風19号による影響で、北陸新幹線が使用できないため米原駅まで新幹線でそこから福井駅に向かうルートに変更した。初日の福井市では「未来へつなぐ福井の農業活性化プロジェクト」の現地視察。担い手不足のため農地の約7割が耕作放棄地であった園芸産地である三里浜砂丘地の農業活性化のため官民連携で、新規就農者の受け入れ体制を整備。地域の稼ぐ力を向上させ、新規就農者の確保など農業の活性化に取り組んでいる。

目的地は福井市の北西部、日本海岸沿いにある三里浜砂丘地にあるオリーブ園。もともと、砂地の水はけの良さを活かしてスイカ、大根、ラッキョウなどの一大園芸産地であったが、生産者の高齢化や後継者不足により休耕地が目立ち始め、生産量が落ちこみ、防風林であった松並木が松枯れにより機能しなくなり風による農地の侵食被害も深刻となった。また作付けされない農地に木々がはびこり猪の住処となるなど山地の衰退が著しかったという。

生産者の高齢化や後継者不足は全国的な問題だ。特にスイカや大根などの重量野菜は高齢者には取り扱いが大変である。福井市の場合、平成26年に坂井市・福井市、農協等で組織する三里浜砂丘地営農推進協議会を立ち上げ、三里浜地区の進行に取り組んだ結果、新規就農者は増加したが耕作放棄地や休耕地の増加に歯止めがかからないため、ふくい農業ビジネスセンターからの提案で、需要の見込める果実(ブドウ、モモ、イチジク、オリーブ)の普及を図ることとした。
□オリーブの選定理由
・国内需要に対して国内での生産量が非常に少ないこと
・日当たりや水はけがよい土地は適地であること
・反面、水を好む作物であるが、スプリンクラーで定時潅水が可能なこと
・病害虫が比較的に少なく、管理が比較的容易であること
・加工品であるオリーブオイルと越前海岸の海産物や三里浜地域の特産品(越のルビーなど)の相乗効果がみこめること
・防風・防砂林としての機能が期待できること
・シルバーグリーンの葉が美しい景観形成によって誘客をみこめること

平成28年度に「三里浜砂丘地園芸振興協議会」を設立。平成29年度から試験栽培250本をスタートさせた。平成30年度には有志による生産組合「三里浜オリーブカルメリーナ」を設立した。(現在会員数約30名)組員による750本の定植するとともに栽培管理を行い現在1000本のオリーブ園となっている。

その後福井市園芸センターへ。挿し木による苗の増殖の様子。

今年度からの取り組みとして新たに地方創生交付金を活用し年間250本づつ定植する。福井市としては市と組合の役割の明文化、出口戦略として「地域商社」を立ち上げる。(令和2年)福井市園芸センターは、施肥試験を行い、砂丘土壌に適した肥料の選択や頻度、施肥料など施肥指針を作成する。土壌水分測定器を導入し、砂丘地の保水力を分析する。挿し木による苗の増殖。各種調査・研究などにより三里浜のオリーブ栽培マニュアルを作成する。栽培技術者指導及び栽培記録を作成する。組合は、新たな定植作業や維持管理、資材導入など、主体的に取り組む。毎年のイベント開催、SNSによる情報発信。定期的に勉強会を開催する。園芸センターによる試験・研究結果のフィードバックに加え、ディスカッション形式で組合員のアイデアを集約する。令和3年には搾油器(地方創生交付金活用)を導入予定。先進地視察や情報収集(小豆島、宮津、上天草等)よそれぞれの役割をしっかりと分割して進めていく。
前橋市も農業委員会から耕作放棄地へのオリーブの植樹への補助を求める声がある。様々な事例を研究し、前橋に適したものをしっかりと選択し、耕作放棄地や高齢化問題などに対応できるようにしなければならない。

前橋市議会議員 岡 正己

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