2021年8月7日

市町村の森林政策「地域課題の解決に向けた森林施策の展開」。

研修室から見た琵琶湖。

市町村の森林政策、3人目の講師は栃木県八坂森林管理事務所 津布久 隆氏で「地域課題の解決に向けた森林施策の展開」

森林環境譲与税の市町村別配分額(総務省のH P 譲与税の額)
1位は横浜市で約3億、2位は浜松市で約2億5,000万、3位は大阪市で2億3,000万。前橋市と同じ中核市のいわき市は17位で1億3,000万だった。ちなみに前橋市は約5,800万なのでその違いは大きい。

横浜市は市内全ての学校384校の木質化で使用する。浜松市は色々な事業に活用している。林業従事者の助成、林道維持補修、低コスト林業、主伐された木材の搬出費。大阪市は木育、森林環境教育等。 市町村の隠れた役割として、意向調査→委託→適さない場合自ら管理となる。長野県が作成したマニュアルがとてもわかりやすく譲与税の使い方を示している。

問題は林業経営に適さない森林である。森林所有者の意向を聞けば聞くほど、市町村が自ら管理する森林は増えていく。楽をすることも重要。パスコ(会社)は森林経営管理制度を支援支援している。委託費で委託することもできる。

パスコの下請けの東電用地という会社があり、さくら市はアンケート業務を委託した。委託費に別でプラスして色々な質問を受けられるセンターを作った。市町村はどっかで楽をしないと大変すぎる。

林業経営に適さない森林の多くは、(市町村林業経営管理事業)森林の自然的条件を踏まえ、育成複層林として針広混交林化・広葉樹林化することが望ましい。内容としては針葉樹一斉人工林を帯状、群状等に択伐し、その跡地に広葉樹を天然更新等により生育させ、針葉樹と広葉樹を混在させる施業。

多くの広葉樹は植えても良く育たない。育ちの悪い植物を育てるのは苦労する。その地で育とうとしている樹種を助ける方が現実的である。無理に何かを植えるより天然更新してくる樹種は何かを探る。天然更新してきても刈り出しや不要木の除去(除伐)、林内の照度管理(受光伐)など手間がかかる。広葉樹化マニュアル(大阪府生物多様性センター)などもある。

一斉林からの転換:林間の隙間が小さいと樹林は更新してこないがあまり大きいと先駆種が生えすぎてしまう。木漏れ日がさす程度が望ましい。

・譲与税を活用した里山整備
里山の樹林はかつてないほどの大怪我となっている。今後、唐木が社会問題になるだろう。木は倒れる。長野県は防災減災のための里山林の整備として倒れそうなものを切っている。これに近いことを色々な市町村が考え始めている。今後も市が管理することが増えてくる。

・福井の森整備事業
茂木町「低林施業」。椎茸原木を作っている。優良原木財は300万円/ha 。15年ローテーションで300万円づつ入ってくる。経営管理集積計画を策定。内容は椎茸原木の財としての再生。原木生産林としていいとこ取りをして事業をマネすることもできる。

森林管理には持続性が重要である。檜林を伐採して針広混交林化するには長い時間がかかる。長伐期の間の管理は市町村ではなく、林業経営者がやった方がいい。では具体的にどうすれば良いのか。儲かれば良いのだ

森林管理には益が必要である。昔は益があるので管理されていた。益にも様々な益がある。精神的な益・身体的な益・経済的な益。中でも経済的な益が重要である。もう少し林業を再考することも必要。

森林管理は継続性が重要なのだ。とにかく継続。献身的な活動もリーダーが引退した後は消えていくケースもある。経済的な益があれ活動だったら生業として誰かが続けていく(成長産業か)ことができる。

資源は豊富にある。例えば上勝町のいろどりなど。ポイントは山の資源をいかに商品にするか。邪魔ものが売れないか。除去する手間を補うだけの益ある林産物はなにか。重要なことは里山メガネをかけることだ。

□本日のめぶき 「津布久 隆氏」
・補助事業を活用した里山の広葉樹林管理マニュアル
・木材とお宝植物で収入を上げる 恒例里山林の林業経営術
・未利用の広葉樹は農山村のお宝になる!?
・うちの裏山は宝の山!?売れる広葉樹を探しにいく「季刊地域」
・里山管理と経営「山林」

前橋市議会議員 岡 正己

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