2021年11月12日

中核市サミット2021in松山1日目。

朝6時24分前橋発の電車に乗り目指すは羽田空港。9時25分発の飛行機でいざ松山へ。中核市の首長や議員が集まる中核市サミットに何年かぶりに参加した。中核市サミットに関して詳しくは以前のブログから。

感染拡大防止の観点から会場は2会場に分けられ、食事をしながらの意見交換会などは中止となり、基調講演とパネルディスカッションという2部構成。私は狭い方の第2会場に。

中核市サミット2021in 松山
基調講演 東京大学大学院工学系研究所 羽藤 英ニ教授
「ポストコロナ時代に求められる中核市の役割」

□導入
都市というとどうしても東京などの大都市のイメージを持たれることがあるが、大都市がむしろ特別なのである。東京のような中心化は都市と交通が専門で、「人が集まっているから集まってくる」といういわゆる重力モデルである。また、リニアができて国土のつながり方が変わる。コロナ禍では0分でつながることが当たり前となった。この変化がどうなるのかを見つめることが大切で、この中でどういう地方中核市の運営を考えていくのか。

「東京極点社会からの転換をどうやっていくのか」がこれから非常に需要になってくる。これは、これからの日本が持つべき視点である。
都心部交通需要は高齢化と情報化によって変わる。通勤からの変換が始まっている。

世界の未来としては、アジアの30億はプラス10億となり隣接する都市の人口が増えれば隣に動く。これは多さに比例して動く。アジアの成長を受け止められるのは日本であり、地方空港を抱えている中核市である。

地方中核市は、アジアの人口増と地域の多様な関係性をつなげていけるポテンシャルがある。

情報化にあって、アイデンティティがネットの情報に右往左往されてる。必要なのがリーダーシップである。世界のリーダーが新しい動きを見せている。例えば、地球規模のデータプラットフォーム(ダイアレックス)を自動走行と結びつける自動車産業。エネルギー問題の背景には東日本大震災がありそれは原発のリスクを世界的に知らしめた。

マッチョにやる必要はないかもしれないが世界中のリーダーが示している。今こそ首長のリーダーシップが重要なのである。

□中核市トランスフォーメーション
中核市の人口の合計は約3,900万人で大都市の合計よりも多い。都市での営みは実際は中核市で行われている。つまり生活が行われる基盤が中核市であり、文化・経済・教育など新たな社会価値創造の源泉は中核市にあるといえる。

アーツ前橋は地域の中に創造的な活動がたくさん生まれてきていて、地方から都会への逆流の流れが生まれてきつつある。高松市役所は建築家、丹下健三の最高傑作である。松山市の花園町通りは7年かけて歩行者の空間に変わった。奈良市には、全ての芸能の源が若宮のお祭りにあると言われているお祭りがある。文化はその土地の個性で今後ますます必要になってくる。

しかし、文化だけでは暮らしていけない。日本は経済成長していく過程で文化的な空間を自動車のための空間に変えてきてしまったがこれからは逆の動きになるだろう。

例えば、駐車場を芝生広場するなど。公共空間の可能性は無限大。花園町通りは6車線あった道路を片側1車線に変更した。通りが変われば建築も変わる。駐車場だったところが通りとビルを一体に使う活動が生まれる。席になったりすることは道路をトランスフォーメーションしたということもできる。

世の中はどんどんデジタル化されていく。これからは自動走行に合った形のアーバニズムが求められる。歩行者とどのように共存していくのか。自動走行とシェアの革命が起きている。

拠点の時代ともいえる。海外の変化の事例として、ロッテルダムセントラルステーションやアナハイムリージョナルトランスポーテーションインターモーダルセンターなど、駅がアイコンとなっている。建築の力である。ステーションじゃなくトランスポーテーション・センターという呼び名も面白い。

過去100年、街から駅に、そしてネットへと移り変わってきた。ネットと中核市はどう向き合うべきなのか。ネット消費のボリュームはどんどん上がり続け、今後相当な比率になると考えられている。それぞれの街の基盤を組み合わせ、都市マネジメントしていくことが必要である。デジタルが都市をカバーする世界になっている。

※重要なこと:タッチポイントの設定→ UX → データ蓄積

□アーバンデザインスマートシティスクール松山
都市デザインや公共空間をうまく使っていくためにはデジタルの担い手を作ることが重要である。

昔は製造と販売といった川上と川下で語られることが多かったが、今は川上と川下の両サイドに寄ったところにポイントがある。一つの側はキーコンポーネント、サプライヤでもう一つ側はプラットフォーマーなどである。川上と川下(生産者と個人の消費者)を繋げるのは自治体である。

地域公共交通は、地方自治体が面倒をみるしかないがマネジメントが必要不可欠である。もう一つは災害。今のインフラは災害が少ない時に作ったものが多い。災害はトレンドを加速させる。

地域の未来像を作るために、中核市が描くヴィジョンが出せているのか。
中核市の使命は62の中核市の個性で描けるイメージ体験の方が豊かさを示すことである。そこで日本の未来は描かれる

□パネルディスカッション
多様な連携による「持続可能な」まちづくり
コーディネーター:愛媛大学 社会連携推進機構 教授 SDGs推進室副室長 前田 眞氏
コメンテーター:東京理科大学理工学部工学部建築学科 教授 伊藤 香織氏

パネラー:富山市長 松江市長 松山市長

□富山市長
富山市はなんと言っても公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりである。持続可能な付加価値創造都市、環境モデル都市、環境未来都市、SDGs未来都市など先進的な取り組みが並ぶ。
ヘルシーアンド交流、自律分散型のエネルギーシステムなど官民でSDGsの推進で連携している。

・SDGsサポーター制度
2019年から始まった制度で890名の個人と230の団体が登録している。地域において産業活動、企業活動において推進してもらうという取り組み。

・地域課題解決方官民連携プラットフォーム「とやまシティラボ」
市全域をラボに見立てたもの。スケッチラボという実際の拠点もある。未来共創として、地域課題の解決や新規ビジネスの創出を目的としている。高校生や大学生が会員になればスケッチラボを使うことができる。

・とやま未来共創チーム
地域課題のビジネスコンテストなどを実施している。スマートシティのためのデータサイエンティストの育成なども行なっている。

未来共創とは
産学官民が立場を超えて対話を重ねることにより未来のヴィジョンを共に描き、共有した上でビジョンからのバックキャスティングで地域課題を明確化するとともに実証・試行を通じて課題解決に取り組み、新たな価値を創造すること。

□松江市長
山陰地方はとても小さい。小さいからこそ県境を隔てても連携している地域の連携の話。県域の市長会を構成している。27年の歴史があり、観光パンフレットを共に作ったり、インフラの要望を行ったり、災害協定を結ぶなど。

圏域市長会では、職員常駐させ、一つの市のようなブロックを組んでいる。各県、市とコンセンサスを取ることが重要。圏域で地方版総合戦略を作ったり、各種事業に地方創生臨時交付金を活用したりしている。

山陰いいものマルシェでは、商談会を行いビジネスマッチング140社 79件の実績がある。ビジネスを広げる効果が実証されている。産業界と行政がそれぞれ連携する仕組みもある。

□松山市長
安全で環境にやさしい持続可能な“観光未来都市まつやま”を掲げている。2020年度SDGs未来都市。松山市SDGs推進協議会を設立した。94団体からスタートして現在は189団体になっている。多様なステークホルダーが参加、連携し、情報交換や人的交流、活動を実施している。また、団体間で事業の可能性を考え、目的共有のため分科会で実践している。

プロジェクトの1例として、人口2500人の中島で、太陽エネルギーを電動モビリティに活用する地産地消を行っている。道後地域のイベントなどでクリーン電力をPRして、市内交流を促し、経済循環を生む。公道を走れるグリーンスローモビリティ(通称「グリスロ」) 四人以上の電動パブリックモビリティ。既存の公共交通と棲み分け、市内事業者などに貸し出し島民や観光客に試乗してもらいニーズや課題を抽出している。行政が積極的に情報発信し参画事業者は企業価値が高まる。

伊藤コメンテーター:シビックプライドの研究者、公共空間を利活用、まつやまアーバンデザインセンターのディレクター

富山市は、コミュニケーションデザインが上手である。交通機関だけではなくて多様な接点をつくっている。

松江市は、独自の街並み計画があるのがいい。ヒエラルキーではなくてネットワーク。自立性、文献性を感じる。自発的な取り組みが海外とのやりとりなどに表れている。企業とのWINWINの関係が重要。非常に各経営者の意識が高く、積極的に経済同友会などを通じて連携している。

松山市は、知恵と工夫は連携から。上からはだめ、一方通行はだめという意識がる。企業と一緒にやっていると、企業側からうちの技術使ってくださいという話になってくる。企業が 社会的責任を果たそうとしている。企業(個人)が役に立っているということがやりがなどにつながっている

□まとめ
公民さまざま角度からの客観視の機会を得て、共通課題を持てるか。プラットフォームの推進力を保つにはリーダーを育てる必要がある。そのために市役所職員と地域とのまじわりが重要である。市から飛び出していく、どんどん職員を外に出し、実務と研修を兼ねていく。また、各市で取り組んでいることを密に情報交換する。部長、課長、担当職員など色々なレイヤーであることが重要。

多様な主体が課題解決のために連携する。都会ができなかったことをやる。自分の市で悩んでることは他の都市でも悩んでる。情報収集しながら解決方法を横展開する。ネットワークは自立すると生まれる。

持続しないものがあってもいい。たくさん消えていったチャレンジがあったというのも大事。チャレンジがあると協働ができてくる。協働することが文化になっていく。

イギリスの19世紀中部の都市でシビックプライドという言葉が生まれた。中核都市は自負を持ってお互いにライバルでもあるが個性を活かしながら課題にたち向かうことが求められている。

□本日のめぶき 「フランシスフクヤマ」
歴史の終わり 政治の終わり アメリカの政治哲学者

前橋市議会議員 岡 正己

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