2018年10月3日
ハレとケ。
最初に、「ハレとケ」とは。
親戚の展示会があり、時間を見つけて長野市へ。
善光寺を中心として古いものを大切に、自然と共存している都市だった。
時間があまりなかったのでサクッとまち歩き。とても魅力的なまちだ。
親戚の叔母は古布などを使用して一点物の洋服を作っている。
そのアイテムも長野らしい。古いものに新しい価値を見出している。
何気ない会話の中で色々気づくことが出来た。
その昔、絹製品は最高級品であり晴れ着であった。
それに対して木綿の生地はいわゆる日用品でその魅力は気づかれていなかった。
しかし、時は流れ絹製品は生地としての価値は下がってしまった。
デリケートであり、特徴的すぎるものが多いためだ。
逆に丈夫で管理しやすく、加工もしやすい木綿の生地の価値はどんどん高まっている。
価値を感じなかった人たちが大量に処分したなんて話も聞く。
古いものはもう手に入らない。日常に散りばめられた日本人の粋の息吹がそこにはある。
「ハレとケ。」
絹がハレなら綿はケだ。
ハレとケの逆転が起きている。これこそ価値の転換だ。
今、我々の周りにあふれている価値があるとされているものは本当はどうなのだろうか。
逆にまた価値がない魅力がないと思われているものはどうか。
常識を疑うことが必要になっている。
観光をハレとするなら日常はケである。
前橋はケのまちだ。
日常が面白い。
それは決して派手ではないかもしれないが赤城山と利根川がありアートがすぐそばにある。
新しい価値素創造する場所としてのポテンシャルはある。
しかしそれは変化に対応することができた場合である。
長野にあって群馬にないものはとても沢山ある。
・そば
・りんご
・野沢菜
・七味唐辛子
・わさび
どれを取っても群馬でもあるし出来る。
しかし決定的にイメージが違う。
その昔、群馬も長野も養蚕が盛んでお蚕さんに食べさせるため桑畑が沢山あった。
しかし時代の変化とともに絹の需要はなくなると同時に、桑畑は必要なくなった。
長野はこの桑畑をりんご農園としたという。
長野=りんごの始まりだ。
時代の変化に万能であった。
前橋は過去の成功体験から抜け出せなかったのだろうか。
生き残れるのは変化に対応できたものだけだ。
市外に出るととても刺激になる。
この刺激を前橋にどう活かしていくか。
前橋市議会 議員 岡 正己