2019年6月15日
普遍を偏(編)集。
過去を振り返る機会、それはいきなりやって来た。
事務所の整理をしていると、2013年に前橋のまちなかにばら撒いた地域通貨「わっしょん」が不意に出て来た。何かのお告げのように。そろそろ一年が経つ。
様々な企画を立て続けにやっていた時、その活力は退屈な毎日へのアンチテーゼだった。何も無いと言うのは簡単だ。無いなら作る。様々なコトを作りに作って、まちを遊んでいた。しかし、継続には大変な力を要する。体力と気力、否定されても諦めないという忍耐力も。その時は力尽きてしまったが、またいつかやりたいと思うものもある。この地域通貨「わっしょん」もその一つだ。あとランナーズハイなどもあるがその辺の話はまた後で。
「わっしょん」とは、前橋夜市という夜のフリーマーケットで使える地域通貨だ。コーヒー抽出カスで染めた障子の紙を近隣店舗に配って夜のフリマで使えるものにした。障子紙に価値を加えてフリーマーケットで売っている物と交換できる仕組み。巡り巡って価値を持つ。
今、まちを編集することに興味が湧いている。というより前橋を編集したい。いや、どちらかといえば “偏集” したい。溢れんばかりの情報を収集する中で、偏りの持つ可能性を感じる。フィルターと表現しても良いと思う。誰かを通したフィルターでまちを見る。そこには偏りがあるかもしれないが、その偏りこそ個性ではないのか。今、地方には個性を出していくことが求められている。個性とは偏りだ。前橋の偏りを編集し、そこから普遍的な前橋を考えていく。前橋の普遍を偏集(編集)する。
偏集(へんしゅう):おかしいくらいに一定の方向に偏った物を収集、または偏りを持たせて再編集して形にまとめること。
前橋市議会議員 岡 正己