2019年8月31日
日常と非日常。
関東建築合宿2019「非常時を超えて」。最終日のプレゼンを聞きに前橋プラザ元気21へ。
全国から集まった建築関係の学生が、地震や豪雨など非常時における社会課題について、建築的な観点から解決を模索するワークショップ。8月25日〜30日までの日程で行われていた。非日常に身を置き換える。避難所シュミレーションを通してそこから日常を見つめ直す。日常とは何か、非日常とは何か。日常にはない答えがあるはずだ。廃校になった前橋二中を実際の避難所に見立て、そこで生活することでリアルな環境に身を置きそこから気づきを得る。とてもいい試みだ。前橋には安全神話がある。しかし、ここ最近の異常気象などから考えると何が起こるかわからない。様々な災害を想定し、いざという非日常に備えることが大切だ。
日常の中に起きる非日常を想定する。学生たちの真剣なプレゼンにこちらも気が引き締まる。学生たちが決められた時間でプレゼンしていく中で、講評者の質問がとても興味深い。「このスペースの名前は何?」という質問があった。新しいスペースを提案するのであれば、そのネーミングもとても重要だ。例えば、「いざという時には避難所になるカフェですが、普段はコミュニティスペースとしても近所の方に利用していただきたい場所です」と解説してもほとんどの大人は理解が難しい。非常時に使える場所に普段から関わることの重要性、用意ができていても知られていなければ、使われなければ意味がない。市民に浸透させていくにはどうすればいいのか。そこまで考えているかを問う。学生にも刺激的であったに違いない。
全国から来た建築関係の学生には前橋はどう映ったのだろうか。合宿してプレゼンした思い出の場所になっただろうか。前橋のことを知らないであろう学生のプレゼンから「スズランの〜」「広瀬川の〜」という言葉が出てくるのが妙に嬉しかった。
前橋市議会議員 岡 正己