2021年6月30日
GIGAスクール構想の進捗状況報告。
令和3年第2回定例会最終日。
追加上程された副市長の選任などの人事案件、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援給付金7,600万円を追加した補正予算などが可決となった。
定例会終了後は、ICT利便性向上調査特別委員会とICT化推進検討部会がそれぞれ開かれた。私はICT化推進検討部会に所属することになった。その後はGIGAスクール構想の進捗状況報告会に参加した。
国の進めるGIGAスクール構想に基づいて児童生徒ひとり1台整備されたタブレット端末の市立学校においての活用報告である。最初に教育長から「半年間はやらかし期間でいい」ということで、各学校には失敗を恐れずにチャレンジして欲しいと伝えているという話があった。
教育委員会の担当から授業等における活用状況、教員向け研修の実施状況、端末の運用状況についてそれぞれ説明があり、現場からということで小中学校それぞれ1校づつ校長先生とオンラインミーティングを行った。
授業等における活用状況については、オクリンクというソフトを使うことで、今までは選ばれた数名にしか発表の機会がなかったものが、全員の答えを共有することが可能になり、その場で意見交換まで出来るようになっている。また、インターネットを使用することで教科書の範囲の外に出ることができる。例えば、気象庁のHPなどから台風の進路予測を調べるなど。ポイントは今までの学習スタイルとデジタルをどう併用していくのかという点だ。
教室での学習以外でも体育などでも使用している。マット運動も友達に自分の動画を撮ってもらうことで修正箇所が理解できる。タブレット端末はあくまで授業の狙いを達成するための学びの手段である。引き続き学校情報化計画に則って進めていくとのことだ。
教員向け研修の実施状況については、未来シードの各機能の利活用や、Googleアプリなどの活用方法などの研修を行っている。また各先生方が作った、アンケートや小テストなどを前橋ICT活用広場にアップロードすることで各学校の情報共有ができるようになっている。いい事例は他の学校でも簡単に使用することができるようになった。
□オンラインミーティング
・桃瀬小学校 折田一人校長
タブレット端末を使ってみて若い教員の活躍が見られるとのことだった。学校では演奏できないリコーダーを家で演奏する様子を録画しその模様を共有する、英語の授業を動画で発表させる、海外とオンラインでのやりとりを検討したり、調理実習を自宅でやってきて動画で提出(親子クッキング)するものなどかなりの工夫が見られるとのことだ。各先生たちの先進的な取り組みが、職員室の中でクチコミで広がっているらしい。
子どもたちは、学校の授業だけではなく、調理をする、音楽を作る、絵を描く、プログラミングをする、など自分達の興味のあるものを掘り下げることができたことが大きい。また、学習が苦手な子が他学年の学習をやることができるので勉強で遅れて取り残されるのを防ぐことができる。
また、家庭との連携として、オンライン学習参観を実施したところ、約9割が参加し、その後のオンライン懇談会も5割の保護者に参加した。保護者のスマホにGoogleミートのアプリを入れて参加する(ハードルが高いように思えるが)。授業の様子をちょっとした文章と写真で、今の子供の姿を伝えることができる。
課題として、新たな手段なので失敗をすることがある。その時に負の側面ばかり伝えるのではなく、良い側面を伝えていく。良い使い方の指導が必要である。例えば写真の撮り方などの指導をするということ。撮ってはいけないもの、著作権、肖像権の問題なども指導していく。また場面によっては、静止画がいいのか動画がいいのかなどの撮り方の部分も指導することが求められてくる。
夏休みの問題もある。家で使う機会が増えるので家でのより良い使い方を検討していきたい。
また、今までの教育との関係(ベテランの指導の工夫など先生たちの意識改革も必要)を考えながら活力のある変化に対応した学校にしていきたいとのことだった。
つまづいている子を把握して個別に指導できる。まる付けの時間がつまづいている子への指導の時間になる。指導のイメージを変換していかなければならない。
・明桜中学校 川上辰幸校長
画面の共有や、意見を共有することで、それぞれの作品や考えを確認し、他生徒からの拍手やコメントがもらえたりできる。Googleクラスルームを使用して、部活動毎の連絡や、総合学習を行っている。今後は、自己評価、相互評価をしていきたい。
オクリンクの提出ボックスに投稿することで、ノートを集める手間が省ける。教員の業務改善につながる。また小学校まで遡ってドリル学習ができるのも大きなメリット。カルテ(一人一人の取り組み状況がわかる)も大変有効。夏休みの課題にも使用していきたい。
インターネットでその場で検索できるメリットはとても大きいが、効率的な検索やファクトチェクなどが課題である。必要な時に必要な検索ができるように指導していく。
□本日のめぶき 「都か区か市か町か村か」
アーツ議連の勉強会で東京の区議会議員の方々とお話しする機会があった。現在、東京都議会議員選挙の期間中ということもあって、東京都と各区の関係を伺う。東京と一言で括ってみてもそこには23区があり、26市があり、5町があり、8村ある。合計で62の区市町村がある。そこにはそれぞれの立場や問題があり、我々の前橋と比べると必ずしも羨ましいことばかりではない。前橋市は中核市としてのポテンシャルをもっと活かすべきである。
前橋市議会議員 岡 正己