2024年4月11日

前橋令明との合同視察2日目(敦賀市)。

前橋令明との合同視察2日目は敦賀市。3月中旬に北陸新幹線の終着駅として開業し、以前の姿とは全く違う駅前になっていました。2019年の市民経済常任委員会行政視察で訪れたことを街を歩いていて思い出しました。そのくらい違う場所になっています。ちなみに以前の視察のレポートは過去のブログから。

敦賀市は福井県のほぼ中央に位置していて日本海側有数の港を有しています。人口約6万で3月16日に北陸新幹線が開業 し東京から敦賀まで乗り換えなしでの移動が可能になりました。今後はアクセスの向上にょって観光客の増加が見込まれるほか、令和28年ごろには敦賀〜京都〜大阪も北陸新幹線により結ばれることが予定されており、より一層の交流人口の増加が期待される。

視察の目的地はこちら「ちえなみき」です。

□敦賀駅西地区土地利活用事業について TSURUGA POLT SQUARE otta

ほぼ更地となっていた駅西地区(民地と公共が入り混じっていたものを区画整理で公共を駅前に寄せた)の利活用事業で2019年から着手して2022年で完了した。

福井大学附属国際原子力工学研究所があり、現在ある原子炉の他に原子炉3、4号機を増設する計画があった為、原子力のまちづくりを推進するための原子力関係の箱物が当初の計画であったが、東日本大地震によって 増設計画はストップしたままとなり、計画は一旦白紙になった。

平成27年に新幹線開業3年前倒しが決定したことによって「観光の玄関口と普段使いの居場所」を平成30に公募し土地活用事業の優先交渉権者を決定した。テーマは「居場所にもなり集客力にもなる機能」。ビジネスになりにくい部分は公共で、ビジネスになりうる部分は民間でという発想。

資金スキームは、TIF(Tax Increment Financiug:再開発事業費の一部を、そのエリアの固定資産税等の増収で補おうと言う考え方を踏襲)で「稼ぐ公民連携」をキーワードに、公共事業(公的資産)と民間事業を組み合わせることで財政負担を軽減していく。エリア全体での収支のバランスを図ることが重要。

敦賀市の土地の上に青山財産ネットワークが建物を建てた。市の歳入としては立体駐車場の納付金、民間事業者の定期借地料、固定資産税増収分。市の歳出としては公共機能のテナント料、広場維持管理費、テナント内装費など。エリア全体でバランスを取って運営していく。

市が公設民営の書店として入居している。公共機能がテナントとして入ることで収支が安定するし持続可能な経営が可能にある。市民の居場所を確保するためには行政が入る必要がある。利益追求型の民間ばかりになるとどこでにでもあるような駅前になってしまうが行政だけでは賑わいは難しい。そのバランスが重要。

・知 ちえなみき お土産物屋
・憩 設置管理条例に基づく公園
・食 市内の飲食店をメインに
・泊 宿泊施設

キャノピー(ひさし)によって建物をつなぎ、デザインの統一感と雨避けとしての機能を持たせた。※民間投資額約26億円、敦賀市約5億円(財源3.5億円の国庫補助金 一般財源は1.5億円)

・ちえなみきとは?

ほんの集客力に着目した公設民営の書店。本屋でも図書館でもない場所。コミック本、ベストセラー、参考書などは置いていない。行政として本は知のインフラと考えて市民に良質の知を提供するために読んでいただきたい本をセレクトしている。絶版本や古書、洋書なども入り混じっているので訪れる方に驚きを含めて提供する。

引き出しの中が気になる仕掛け。本を探すのではなく本と出会う場所。

著者別やタイトル別などで置くのではなくテーマ別に置かれている。

本の置き方も独特で前の本を取らないと後ろの本に出会えない。

微妙に段差の違うベンチで目線が変わり出会う本が変わる。ちえなみきの前の駅西広場にはコンセント、上下水、テントフックが配置されているのでイベントに適応できる。普段使いの場所として読み聞かせなどにも使われている。開館して12ヶ月で30万人が来館。先進地視察は失敗事例なども含めて視察した。市立図書館や既存の本屋との棲み分けを重要視した。

地元の人気店だった抹茶のカフェが入る。商店街で人気だった店舗を口説いて出店に漕ぎ着けた。どこにでもあるチェーン店ではないのがコンセプトとも合っている。

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